笠りつ子が首位発進 前週優勝の松森彩夏は2打差で追う
2016年 NOBUTA GROUP マスターズGCレディース
期間:10/20〜10/23 場所:マスターズGC(兵庫)
覚悟を持った変革 悩める上田桃子は輝けるか?
◇国内女子◇NOBUTA GROUP マスターズGCレディース 初日(20日)◇マスターズGC(兵庫)◇6523yd(パー72)
賞金ランク32位に停滞する上田桃子が5バーディ、1ボギー「68」で回り、4アンダー2位で発進した。今季未勝利、さらに出場した直近3試合は予選落ちと、2007年の賞金女王にしてみれば不本意なシーズンを送っている。「精神的にもあったけど…。いまやっていることを、どれだけ冷静に出来るかです」。もがきながらも再び輝く日を信じている。
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インから出た10番で6mのバーディパットを決めて勢いづいた。続く11番では残り155ydから6Iでピンに絡めて3連続バーディに結びつけた。後半にもカラーから4mを決めるなど、連続バーディを奪った。久しぶりの好位置だが、頬が緩むことは決してなかった。「ここ1カ月の内容よりは手応えはあります。でも、まだ60点くらい」
7月に出場した海外メジャー「全英リコー女子オープン」の予選ラウンドで、大会を制した20歳のアリヤ・ジュタヌガン(タイ)と同組になった。米国女子ツアーで今季5勝を挙げている世界ランク2位の勢いや飛距離に驚愕した。予選落ちに終わり、「自信があるから(ジュタヌガンは)迷わず振りぬいている」と息を吐いた。いまから飛距離は追いつけない。「そういう(飛距離などの)部分ではなくて、しっかり戦える自分なりの武器を磨きたい」と胸に誓った。
これまでは「ドローをかけて飛距離をだそうというスタイルでやってきた」と言う。だが、自分なりの武器を求めて、スタイルを変える決意をした。「最近は良いショットが出来ていなかった。目先の結果を追っていたら、理想の自分のスタイルは遠くなると思う」。今は力むことなく、しっかり振り切りきることだけを考えている。
30歳での変革には、決心が必要だ。「覚悟をもっている。とにかく身体に覚えさせなきゃいけない」。試合に出なかった前週もクラブを振り続けた。「やった日は、朝から夕方まで」と猛練習に励んだ。ストイックな性格の持ち主は「わたしはオフでも練習することが多い。気持ちのリフレッシュとかはない。ゴルフのことはゴルフで考えないといけない」。道半ばではあるが、必死に取り組む視線はしっかり前を向いている。(兵庫県三木市/林洋平)