成田美寿々が完全優勝で今季2勝目 2位のイ・ボミは“5度目”
2015年 サントリーレディスオープン
期間:06/11〜06/14 場所:六甲国際GC(兵庫)
“狙って”完全優勝 成田美寿々を駆り立てる目標
「サントリーでやってやる!って最初から思っていました」。狙いを定めた4日間大会で、成田美寿々が自身初の完全優勝を成し遂げた。4打差リードの単独首位から出た「サントリーレディス」最終日を3バーディ、1ボギー「70」にまとめ、通算16アンダーで逃げ切り優勝。追いすがる賞金ランクトップのイ・ボミ(韓国)を2打差で振り切り、今季2勝目を飾った。
成田が今週にターゲットを絞った理由は、海外メジャーへの出場にあった。今週を終えた賞金ランク上位5人に与えられる、7月開催の「全英リコー女子オープン」出場権。成田は今週を前に賞金14位で、獲得するには優勝しかなかった。海外メジャー出場にこだわるのは、その先にある2016年のリオデジャネイロオリンピック出場を目標にしているためだ。
<< 下に続く >>
来年7月時点の世界ランキングで、日本人の上位2人が自動選出されることとなりそうな代表(最大では4人)の座をつかむためにも、少しでもランキングを上げておく必要がある。「海外メジャーは(付与される)ランキングポイントが高い」ため、日本ツアーを主戦場とする成田にとっては、年に数回の「どうしても出たい試合」になる。
。
強い思いは、あらゆるところから見てとれた。2週間前からパターのグリップをクロスハンドにしたのも、今週を見据えた準備の1つだという。今週月曜日には美容院に駆け込み、刈り上げに近い“気合い”の短髪にしてきた。
そして、最終日のハイライトとなった16番(パー3)。1打差に詰め寄ったイ・ボミが池のそばに切られた左ピンの奥4mに乗せると、成田も負けじとリスクの高い左サイドを8Iで攻め、イとほぼ同じ距離とラインにつける。イがわずかにバーディパットをショートさせた後、成田がラインに乗せたボールはゆっくりとスロープを下ってカップに吸い込まれ、その瞬間、成田は鬼気迫る形相で力強いガッツポーズを作ってみせた。「ブワッと鳥肌が立った」。実質的な決着の1打。狙って取ったツアー7勝目の感慨が押し寄せてきた。
前年の賞金ランク5位の資格により、約1カ月後の「全米女子オープン」出場も決めている。「全米、全英で優勝できるように、最善を尽くします」。海外メジャーの出場は今回と同様にプロセス。目的を果たすため、もちろん最高の結果を狙っていく。(兵庫県神戸市/塚田達也)