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双子&新世代のプレーオフ/2023年国内女子ツアー前半戦振り返り(上)

38試合が行われる2023年の国内女子ツアーはシーズン唯一のオープンウィークを経て、20日開幕の「大東建託・いい部屋ネットレディス」で後半戦に突入する。前週「ミネベアミツミ レディス 北海道新聞カップ」までの前半戦19試合ではどんなことがあったか。印象的だった2つのプレーオフを振り返ってみる。

史上初の姉妹プレーオフ

ジュニア時代から実力派の双子姉妹として注目を集め、2020年度最終プロテスト(コロナ禍により実施は21年6月)で同時合格を果たした岩井明愛千怜。21年の下部ステップアップツアーで妹・千怜→姉・明愛が前代未聞の“姉妹2戦連続V”を飾り、昨季8月にはレギュラーツアーで千怜が2週連続Vを飾った。さらに明愛がことし4月「KKT杯バンテリンレディス」でツアー初優勝…。そんな岩井ツインズ旋風がピークに達したのは5月14日、「RKB×三井松島レディス」の最終日だった。

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1位から出た明愛が「69」を出し、7位から出た千怜が「65」で追いつき、そこに5位から出た山下美夢有が「66」でタイトル争いに絡む。通算11アンダーでツアー史上初の「姉妹プレーオフ」が昨季年間女王の山下を加えた三つどもえで実現した。18番(パー5)を使った戦いは、1ホール目が3人ともパー。2ホール目では2打目で姉妹そろって“直ドラ”でギャラリーをわかせ、千怜がバーディを奪って優勝を決めた。

同時プレーオフが「夢だった」という2人。ツアー3勝目となった千怜は「ホントに現実なのかなって、こんなにすごいことが起きていいのかって、いまだに信じられません」とうれし泣き。明愛は「8割悔しくて、チサトが優勝して2割うれしい」と妹を祝福した。

前半戦を終えてのメルセデスランキングは明愛3位、千怜4位。女王争いがかかる後半戦も、岩井ツインズがツアーの主役になりそうだ。

平均年齢20歳未満のプレーオフ

2週後にメジャー「全米女子オープン」を控え、メルセデスランキング1位の山下と2位の申ジエ(韓国)がスキップしたフィールド。6月29日開幕の「資生堂レディス」(戸塚CC/神奈川)はプロ2年目で19歳の櫻井心那と、プロ3年目で20歳の桑木志帆によるプレーオフとなった。

櫻井は昨季、下部ステップアップツアーで史上最多の「年間5勝」を飾り、賞金女王となって今季ツアー前半戦の出場権を獲得。。桑木は昨季のメルセデスランキング51位とシードをギリギリで逃し、同ランク55位までに与えられる前半戦出場権でリランキング1位につけて大会を迎えた。

ともにフェードヒッターでショット力が売り。最終日は首位タイから「69」をマークした桑木に対し、1打差5位から出た櫻井が「68」で追いついて、2人のプレーオフに突入した。2ホール目、飛距離で優る櫻井がキャリーで260yd超のビッグドライブを見せ、バーディを奪って初優勝を飾った。

櫻井は「10代の内に勝ちたかった。今は年齢層が若くなってきているし、一発でプロテストを受かったので、みんなより早くいろんな経験をしていきたい」。9月7日から、地元・長崎のパサージュ琴海アイランドGCで行われる「日本女子プロ選手権」が最大のターゲットだという。一方、桑木は櫻井のウィニングパットを見届け、笑顔で祝福したが、その後は「4日間、良かったとは思います。でも、優勝しか意味がないので」と悔し涙が止まらなかった。

「ツアー未勝利、シード未経験のツアーメンバー同士」のプレーオフは、2014年「伊藤園レディス」で前田陽子大城さつきに勝ったケースに続いて2度目。しかし「平均年齢20歳未満」によるプレーオフは初で、若手の台頭が著しいツアーを象徴する一騎打ちだった。

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