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初めての春先V 新生・池田勇太「この先も楽しませる」

“新生”勇太の本領発揮だ。国内男子ツアー「パナソニックオープンゴルフチャンピオンシップ」最終日を3位から出た池田勇太が、7バーディ、1ボギー「66」でプレーし、通算13アンダーで今季初優勝。後続に3打差をつける鮮やかな逆転で、8年連続のタイトルを手にした。

2打差を追う最終組の1つ前から、前半のバーディラッシュで主導権を握った。「アイアンから下のクラブは全部いい」という言葉そのままに、最初の1番で3mにつけてバーディ先行。最難関ホールの517ydの2番でグリーン右奥のラフからチップインを決め、4番で7mを入れて早々に単独首位に立った。さらに6番(パー5)、8番、9番といずれも1.5m以内につけて、ハーフ「29」を記録。前半だけで4打差のリードをつける貯金を生かし、悠々とゴールテープを切った。

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昨年12月に30歳になり迎えた今季は、池田にとって多くの変化を伴ってのシーズンインとなった。スリムなパンツとタイトなシャツを着こなし、サラサラヘアーを風にたなびかせる。かつて角刈りと3タックパンツがトレードマークだった“若大将”の面影は見られない。クラブも今年からフリーにし、昨年まで契約していたブリヂストンスポーツのギアはウェッジ2本とボールだけ。シーズン開幕後も各メーカーと調整を続け、ようやく納得のセッティングに仕上がってきた。「苦労も多いけど、新しい発見もある。変化を楽しめていますよ」。

大きな変化といえば、もう1つ。2013年から3年連続で務めた選手会長から離れ「今は自分のことに集中してプレーできている」。このオフも時間にゆとりが増えたことで「本腰を入れてトレーニングをすることができた」と体作りに専念できた。「1月から時間をかけて、この4月に合わせてこられたのはデカイと思う」。これまでは6月がシーズンの最速優勝。初めて春先に手にしたツアー通算14勝目は、また違った味だ。

「幸先が良いよね。これから行けるぞ、みたいな部分も出てくると思う。この先も楽しませますよ。約束します」。以前と変わらない豪快な物言いはそのままに、ニュースタイルもすっかり目に馴染んできた。(千葉県野田市/塚田達也)

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