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グリーンにバンカー?アジア下部ツアーを転戦してきた男の語る実情

日本ツアーとアジアンツアーの共同主管で開催されている「パナソニックオープンゴルフチャンピオンシップ」は両ツアーから60人ずつ、推薦出場者を含めた138人がエントリー。その中でただ1人、アジア枠から出場している日本人選手がいる。2日目を終えて、1オーバーの49位タイで決勝ラウンド進出を決めた29歳の高橋賢(たかはし・まさる)だ。日本のレギュラーツアーは、今週がデビュー戦となる。

高橋は2008年に日本でプロ転向。以降は出場優先順位を決めるQTで上位に入れず、下部ツアー中心の戦いが続いた。2012年には、戦いの場を求めてアジアンツアーに挑戦。ここでも下部ツアーから抜け出せないシーズンが続いた。

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だが、アジアの下部ツアー『アジアン・デベロップメント・ツアー』は年間20試合以上が組まれる上、大半を4日間競技が占める。多くの経験を積むには格好の舞台とあり、おのずと軸足はアジアに傾いた。昨季は25試合に出場した。(ちなみに昨季の日本の下部ツアーは年間17試合で、4日間競技は存在しない)

実情を聞くと「環境は厳しいですね」と即答した。中でもグリーンの状態が劣悪で「日本からすれば、まったく信じられないくらいにひどい。グリーンの中に、小さなバンカーみたいな砂地があったりする。それくらいのレベルです」と苦笑いで明かした。

賞金もレギュラーツアーに比べると格段に落ちるため、転戦にかかる経費は大きな悩みの1つだ。特に高橋は今も拠点を日本に置き、試合があるごとに飛行機で海を渡るため「トップ5くらいで、ようやくプラスマイナスゼロ」という状況。13年に下部ツアーで初優勝して手にした約120万円の賞金も、何を購入することもなく、すべて経費に消えたという。

そんな高橋だったが、昨年末のアジアンツアーのQTで自己ベストの11位に入り、下部ツアーをついに“卒業”。今季は初のレギュラーツアー参戦となり「シードを獲れるように頑張りたい」と意気込む。日本の下部ツアーにも可能な限り出場する見込みで、来季の日本のレギュラーツアー出場資格が得られる「賞金ランクトップ10」が目標だ。「来年は忙しいシーズンになればいいですね」と、期待に胸を膨らませた。(千葉県野田市/塚田達也)

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