「人を育む」青木功新体制が発足 官僚出身理事ゼロに/JGTO
国内男子ツアー(JGTO)の第4代会長に4日、青木功が選任された。大勢の報道陣を前にした青木は「いろんなものがぶつかってくるだろうけど、頑張っていく」と、会長としての抱負を語った。
補佐役となる副会長には、日本プロゴルフ協会元会長の松井功氏、ダンロップスポーツエンタープライズ元社長の大西久光氏、宮里優作らが就任した。特別顧問に尾崎将司、相談役に丸山茂樹を充てたほか、田島創志、渡辺司、横田真一、佐藤信人、池田勇太ら現役プロが理事となった。
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一方、海老沢勝二前会長体制では、3人が名を連ねていた官僚出身の理事は姿を消した。
青木新体制が掲げた理念は「人を育む」。青木は「ツアーを盛り上げていくのは選手の意識。俺がツアーの主役だというような気持ちがあっても、今の若い人たちは出さない人が多い。個々の選手がもっと自分をアピールしたら責任感も出てくる。そういう闘争心で活性化していくのかなと思う」と、“個”の大切さを強調した。同時に「人として、社会人として対応できるプロゴルフアーが増えることも必要」と、プレー以外の人間教育にも取り組むことを明かした。
政策担当となった大西副会長は、緊急課題としてコースの難度アップと試合数の増加を掲げた。「海外の試合に出た選手が『コースが難しかった』と言うのをよく聞くが、それでは相手と戦う前にコースに負けている」と指摘。さらに「選手は競技に出ないとダメ」と、賞金総額が最低ラインの5000万円だとしても試合数を増やし、多くの若手にも試合でのプレー機会を増やすことを課題とした。
青木とは我孫子一門として旧知の間柄である松井副会長も「選手の人格形成と組織改革が必要」と問題認識は変わらない。「若い選手の評判があまり良くないことも耳に入る。LPGA(国内女子ツアー)は、プロアマで回った相手にサンキューレターを書くなど企業努力を行っている。男子にはそういう細かい努力が欠けている」と話した。
横田は「リアル中のリアルが集まった理事構成になった」と、“現場を知っている”新体制の船出に満足げな表情を見せた。「ようやく重い腰を上げて頂いた」と嬉しそうにレジェンドの会長就任を祝福した。
青木は数年前から会長職を打診されていたとし「プレーヤーとして全うしたいと思っていたけど、やって欲しいという気迫に負けたところもある」と打ち明けた。現役でのプレーは「多少は許されている」と周囲を見回しておどけたように笑ったが、「でも、受けた以上はとことんやります!」と待ち受ける困難は覚悟の上だ。(東京都港区/今岡涼太)