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石川遼が感じる“地の利” 今季初勝利へ2位浮上

北海道の札幌ゴルフ倶楽部 輪厚コースで開催中の「ANAオープン」。石川遼が今季初勝利に向け、首位に4打差の通算8アンダー2位で予選ラウンドを終えた。

2日目は5バーディ、1ボギー。2日連続で「68」をマークした石川。アグレッシブに振り切る1Wショットは右サイドへのミスが多く、ミドルアイアン、ウェッジもボールの捕まりがいまひとつ。ショートゲームでの懸命なスコアメークが光る。2日目の最終18番でも手前のラフからピタリと寄せてパーを拾った。

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苦しいラウンドで勝機を見出すのが、北海道のコース特有のラフへの慣れだ。「洋芝のラフだとイメージができる。アメリカで経験できている分、あまり気にならない」という。

本州以南の多くのコースのラフを作る高麗芝、野芝に比べ「洋芝の方が、1本、1本が軟らかく、もともとしっとりとしていて密度が濃い」というのが石川の説明。「野芝は1本1本が少し乾いていて、深くしても密度が濃くならない。グリーン周りのアプローチで抵抗が少ない」。

もうひとつの特徴が、洋芝のラフからはボールの回転数が少ないフライヤー(ドロップボール)が“出にくい”という点。棒球が飛んでグリーンオーバー、というケースが少ないところだ。「野芝だと(ラフからのショットが)ボールのスピン量が半減する。8Iで普段7000~8000回転(分速)くらいのものが、3500~4000といった具合。場合によってはもっと少なくなる」。ただし、もともとスピン量の少ないロフトの立ったウッドなどのクラブだと、洋芝でも警戒が必要になる。

どちらが易しい、という問題ではなく、今大会のコースが米ツアーで慣れ親しんだ芝種であることで得られる安心感。一方では「来週のコース(茨城・大利根カントリー倶楽部/アジアパシフィック ダイヤモンドカップゴルフ)ではまたたくさん練習が必要」だという。

昨年優勝した「長嶋茂雄 INVITATIONAL セガサミーカップ」も舞台は北海道だった。だが、そんな“アメリカナイズ”された自分を認識したのも「きょうです。きょう、やっと。フェースのひらき方や、ショットの軌道も予想がしやすい。いままではちょっと大雑把に捉えすぎていた」。

本格参戦から3シーズンを終え、ようやく米ツアーに主戦場らしさを覚え始めたところ。“地の利”を感じて日本ツアー12勝目を奪いに行く。(北海道北広島市/桂川洋一)

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