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ツアープレーヤーたちの口癖<平石 武則選手>

2001年の久光製薬KBCオーガスタで41歳にして涙の初優勝を飾った平石武則の口癖は、「ほんま」と「ごっつ」と「めっちゃ」の3語だ。

念のため解説させていただくと、この3語はいずれも関西弁で、「ほんま」は標準語で表現すれば「本当に」といった意味だし「ごっつ」は「ものすごく」や「とても」という意味、「めっちゃ」も「ごっつ」同様に、「大変」などという意味合いを持つ。

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兵庫県出身らしく、普段からべたべたの関西弁を操る平石だが、中でも特にこの3語を多用。気心知れた仲間とのおしゃべりにいたっては、ほとんどこの3語で済ませることもあるらしい。

たとえば、みんなでおいしいものを食べたとき。
「ほんまめっちゃごっついおいしいなあ」

誰かが面白いギャグを言ったとき。
「ほんまめっちゃごっつおもろいやん」

良く飛ぶドライバーを手に入れたとき。
「ほんまめっちゃごっつよう飛ぶで」

・・・などといった具合。

他愛のない会話なら、周囲の人も「ああ、とにかく平石さんはいま満足しているんだなあ」と、それほど深く考えず受け流すこともできるが、それが仕事など重要事項に関わるときは別だ。
平石が用具契約を結ぶ、ミズノのクラブ技術のみなさんが、その良い例だ。

ある週、クラブを加工するサービスカーにやってきた平石は、クラブを手に取りいつものように口癖を連呼した。

「こないだのクラブ、めっちゃいいやん。ほんまよう飛ぶし、ありがとう」
“めっちゃ”を駆使した喜びの言葉にひと安心したスタッフ。

だがその翌週には、また別のクラブを渡して試打してもらったところ、
「今度のはごっつよう飛ぶし、ほんまごっつ気に入ったで」

・・・なぜか、次の週に限っては「ごっつ」を連呼したものだから、スタッフは頭をひねってしまった。
(平石さんのいう“めっちゃ”と“ごっつ”って一体どっちのほうが格が上なんだろう・・・?)

選手のためを思って、日夜クラブ作りに励んでいるスタッフとしては、いずれの言葉がより平石の満足度を示しているのか、おおいに気になった。それを知っておかなければ「今後の仕事にも差し支える」と大マジメに考えたスタッフは、思い切って本人に聞いて見ることにした。

「平石さんすいません、ひとつ聞きたいんですけど、“めっちゃ”と“ごっつ”ってどのくらいの差があるもんなんですか?」
すると、平石も大マジメに考えた末にこう答えた。
「う~ん・・・まあ、だいたいセイム(same=同じ)やね」

・・・いきなりの英語に、ずっこけてしまったスタッフのみなさんだった・・・。

※日本ゴルフツアー機構が発刊しているメールマガジン(プレーヤーズラウンジ)より転載しています。

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