先週の日本プロゴルフ選手権。3日目まで首位に立ち、インタビューにのぞんだ鈴木亨が、会見上でふいに放ったこのひとことに一瞬、その場が騒然となった。

「僕は、付き合いを始めてからというもの、妻との会話を1日でも欠かしたことはない」

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シーズン中ならば遠征先から必ず1日最低1回のラブコール。
それは海外に行っても同じで、数年前、挑戦した全英オープンでは、毎日、時差をきちんと計算して国際電話をかけていたという。

「妻と会話することは、僕の大切な日課なんです」と、サラリ言ってのけたこのオノロケ発言には、報道陣から「ふえ～」とか「ほお～」とか、ため息ともなんともつかない声があちこちから洩れた。すると、すかさず笑顔でこう畳み掛けた鈴木。

「みなさんの中にはそんな方、きっと一人もいないでしょう！？」

この言葉に否定できる人はただの一人もおらず、「俺、会話しなかった日のほうが多いかも・・・」と頷き合うばかりだった。

日大時代の後輩で、女子プロゴルファーとして活躍していた夫人の京子さんは、鈴木の一番の理解者だ。夫の長所も欠点も知り尽くしていて、優勝争いの前夜などは「“あなた、いまこういうこと考えてるんじゃない？”“こういうふうに考えなくちゃダメよ”とか、とても的を得たアドバイスをしてくれる。僕が精神的に弱い部分をわかっているからこそ」（鈴木）。カウンセラー的存在なのだ。

今年、夫妻は結婚10周年。「スウィート10です」と言って照れ笑いを浮かべた鈴木。ツアーきっての愛妻家は「今年、妻に特大のプレゼントをしたい」と、張り切っている。「そのためにも、たくさん勝って稼がなくちゃ！」先週の逆転負けにも気を取り直し、次なる勝利を狙っている。

※日本ゴルフツアー機構が発刊しているメールマガジン(プレーヤーズラウンジ)より転載しています。