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“思い出”の輪厚で・・・藤田寛之 5連続バーディで2位浮上

北海道の札幌ゴルフ倶楽部 輪厚コースで開催中の国内男子ツアー「ANAオープンゴルフトーナメント」は3日目を終えて韓国のキム・ヒョンソンが通算14アンダーまでスコアを伸ばして単独首位。最終日にそれを2打差で追うのがこの日のベストタイとなるスコア「65」をマークした藤田寛之だ。

スイッチは序盤に入った。ツアー屈指のパッティングの名手がその実力をいかんなく発揮。5メートルを沈めた2番から次々とカップにボールを沈めていく。3番で6メートル、4番は3メートル。2オンに成功したパー5、5番は6メートルを2パットとすると、6番では5メートルのフックラインを沈めた。鮮やかな5連続バーディ。

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大会開幕前からの雨により、普段よりも遅いグリーンに苦しむ選手が続出する中、藤田も例外ではない。「輪厚は例年早いので、そのイメージがあってなかなか打ち切れない」と言う。それでも後半インでは11番で唯一のボギーを叩いたが、最終18番では8メートルをねじ込んで、この日8つ目のバーディをもぎ取ってホールアウトした。

輪厚での藤田寛之の“名場面”といえば、2002年大会(当時は全日空オープン)が挙がる。最終日に尾崎将司と優勝争いを演じた。名物ホールの17番、左ドッグレッグのパー5で2オンを狙ったが、その第2打は林を越えず、ボギーを叩いた。これにより1打差で敗戦。ジャンボの55歳7か月29日のツアー史上最年長優勝をアシストした形となった。

当時は「その話を2、3年は人から言われた」という。しかし「もう皆さんの記憶も薄れてきているだろうし、新たな記憶を作らないといけないですね」と頼もしい。

最終日は自身はまず2打差のヒョンソンを追いかけるが、2打差をつけている後続3位タイ(通算10アンダー)には10人がひしめく大混戦。「自分も一生懸命ついていかないといけない展開になると思うし、スコアを伸ばさないといけない」。10年前の苦い記憶も、輝かしい経歴のスパイスに変えてみせる。(北海道北広島市/桂川洋一)

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