「これで気持ちよくやめられる」倉本昌弘がレギュラーツアーに別れ告げ次の使命へ
◇国内男子◇ジャパンプレーヤーズチャンピオンシップ by サトウ食品 2日目(3日)◇西那須野CC(栃木)◇7036yd(パー72)◇曇り
予選ラウンドを終えた倉本昌弘の表情は、いつも以上に晴れやかだった。「もう、ほっとしました。本当に十分堪能したんで、これで気持ちよくやめることができます」。今大会でレギュラーツアーから退く意向を明かしていた70歳は、「もうこれが最後」という気持ちでティグラウンドに立っていた。
ツアー史上最大の54歳差となる、16歳の加藤金次郎と2日間をともにした。祖父と孫ほど年齢は離れていても、隣を歩き笑顔で言葉を交わす場面が何度もあった。プレーでは豪快なショットを放つ若き才能の隣で、ベテランも随所に熟練の技を披露。前半16番(パー5)では左ラフからの3打目を約1.5mにつけると、続く17番(パー3)ではグリーン左奥ラフから絶妙なアプローチを見せ、同組の加藤から「入れ!入れ!」と声が飛ぶシーンもあった。
チャンスを作りながらも、「やっぱりパッティングがなかなかね…。シニアでやっているピン位置と、レギュラーのピン位置との違いにアジャストできなかった。さすがにレギュラーだな」。8ボギー「80」のプレーに改めて第一線で続けていく難しさを口にした。「本当に区切りにするつもり、本当に。もうレギュラーツアーに出ることはないと思います」
54歳差のラウンドで、ゴルフという競技の魅力を再確認できたという。「やっぱり16歳と70歳が一緒にプレーできる競技なんてどこにもない。本当にゴルフっていうのはすごい」と、その価値を身をもって感じた。
レギュラーツアーには別れを告げても、男子ゴルフ界への思いは変わらない。2027年からは国内男子ツアーの事業運営を担う「J-Tour」が本格的に始動する予定。男子ゴルフのバックアップに全力を注ぐ。「ゴルフのポテンシャルをうまく引き出していきたい。加藤くんを含め、いい選手がいっぱいいるんで。やっぱり顔と名前が覚えられるような状況を我々が作ってあげなきゃいけない」。次の使命に向け、レジェンドは静かに歩みを進めた。(栃木県那須塩原市/安平賢太郎)