「お二人に迷惑をかけないように…」 菅沼菜々が女子選手として最少スコア
◇国内男子◇前澤杯 MAEZAWA CUP 初日(24日)◇MZ GOLF CLUB(千葉)◇6652 yd(パー70)◇曇り
歩くときはピシっと背筋を伸ばして、構えたらできるだけ早く打つ。今週の菅沼菜々の目標は「迷惑をかけない」。初めて挑戦した男子ツアーで、2バーディ、2ボギー「70」のイーブンパーなら上出来だ。女子選手が男子レギュラーツアーをイーブンパー以下のスコアで回るのは、この日同じく「70」の寺西飛香留とともに史上初となった。
女子ツアーでは通算2勝。昨季はシードを失うなど不調が続いていたが、男子ツアーで復調のきっかけをつかめた気がする。18ホールで学んだことは「メチャメチャ、ありすぎる」。同組で回ったのは通算31勝で永久シード選手の片山晋呉と、通算20勝の石川遼。「テレビで見ていたお二方と回らせていただいて、すごく緊張していた」とスタートを迎え、技術を学ぼうとアプローチやショットに目が釘付けだった。
プレーの速さも勉強になったことのひとつ。「構えてから長い。体が固まる」と父・真一さんに注意されてきたが、同組2人に合わせてプレースピードを速めるうちに「これくらいのスピードで良いのかも」と良いリズムで回れていることに気がついた。前半2番(パー3)では3人で一番内側につけて拍手を受け、5番、6番とパーオンを逃がしてもアプローチで寄せてパーセーブ。2つのボギーは距離が長いパー4の1番(505yd)、8番(491yd)だったため、「しかたがない」と切り替えられた。
「きょうは本当にショットが良くて、パットが入ればもうちょっと」。グリーン上に課題が残ったが、ここまでの女子ツアー3試合から見れば徐々に良くなっている。「私はフォローを高く上げるライジングパットみたいなタイプだったけど、パンチで打っている感じがあって、距離感も合わないしラインにも乗らなかった」と、今季はパッティングで流れが作れず2試合で予選落ち。今週は去年、一昨年の自分の動画を見てストロークを見直してイメージを作り、きわどいパーパットも決められたことが自信になった。
まずは緊張の初日を終えて、「楽しく回れたので良かった」と一安心。「自分の調子がだいぶ良くなってきたので、あしたも良いスコアで上がりたい」と笑顔を見せつつ、やっぱり一番は「お二人に、迷惑をかけないように」。残り3日間も謙虚に戦う。(千葉県睦沢町/谷口愛純)
<女子選手の18ホールスコア上位>
・イーブンパー/菅沼菜々、寺西飛香留(2025年「前澤杯」1R「70」)
・1オーバー/ミッシェル・ウィ(2005年「カシオワールドOP」1R「73」
・2オーバー/寺西(2025年「東建ホームメイトカップ」2R「73」)、ソフィー・グスタフソン(2003年「カシオワールドOP」1R「74」)
・3オーバー/ミッシェル・ウィ(2005年「カシオワールドOP」2R「75」)