2025年 前澤杯 MAEZAWA CUP

「10分遅れていたら死んでいたかも」 26歳の竹山昂成が脳梗塞から奇跡の復活

2025年 前澤杯 MAEZAWA CUP 初日 竹山昂成
ゴルフをできていることが奇跡

◇国内男子◇前澤杯 MAEZAWA CUP 初日(24日)◇MZ GOLF CLUB(千葉)◇6652 yd(パー70)◇曇り

「ずっと天井を見上げて、何も考えられなかった。ただ、ゴルフはまだやりたい」。右半身が動かず、病院のベッドで寝た切りの状態。竹山昂成(たけやま・こうせい)が昨年12月29日に脳梗塞と椎骨動脈乖離(ついこつどうみゃくかいり)で倒れた時、医師からは「もうゴルフはできない」と言われていた。それが、今週初日に「64」をマークして上位で戦っている。「ぜんぶ、奇跡」とクラブが振れる喜びをかみ締めた。

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東北福祉大出身の26歳は、昨年の最終予選会(QT)で6位に入って今季出場権を獲得した。初めてレギュラーツアー前半戦を戦えるようになった矢先のオフ、ラウンドしようとストレッチしている時に右半身が動かなくなった。倒れたところ、一緒にいた中西直人金子駆大が救急車を呼んで病院へ搬送。「10分遅れたら、もう死んでいたかもしれないと言われた」。奇跡的に一命はとりとめたが、目が覚めた時には体が動かなくなっていた。

2025年 前澤杯 MAEZAWA CUP 初日 竹山昂成
体幹を鍛えて「前よりうまくなったかも」

「感覚が全くなくて、力をどう入れたらいいのか分からない。“足を上げて”って言われても、どうやって上げたらいいのか分からなかった」。絶望感が襲う中でも、ゴルフだけは諦めきれない。じっと天井を見つめる時間が続いたが、2度目の奇跡が2日後に起こった。

ピクリと指先が動き「徐々に力が伝わりだした」と、だんだん右半身の感覚が戻ってきた。少しずつリハビリを始め、ボールを打ち始めたのは2月中旬。3月にはコースを回れるまでに回復した。「後遺症も全くない。若いから、というのはあるけど、戻った理由もハッキリは分からない」という驚異的な回復力に医師も驚いた。

2025年 前澤杯 MAEZAWA CUP 初日 竹山昂成
東建に続いて好発進

今も月に1度MRI検査を行い、激しい運動はできないためトレーニングは体幹メインに変えた。「今までそこが弱かったので、逆に強みになりました。前よりも、ゴルフがうまくなったかも」と元気に笑う。2週前の開幕戦「東建ホームメイトカップ」では初日4位の好発進。「予選落ちを気にして、2日目に崩れてしまった」と37位に終わったが、予選落ちがない今週はプレッシャーなく攻められる。

「伸ばし合いは得意」とボギーなしの6バーディ「64」で回り、首位と3打差の6位につけた。「2日目からも、楽しんでガンガンいけたら」。思い切りクラブを振れることが、楽しくて仕方ない。(千葉県睦沢町/谷口愛純)

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