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「絶対に入れる」中島啓太の3時間半かかったクラッチパット 第二の故郷で2勝目

◇国内男子◇横浜ミナト チャンピオンシップ ~Fujiki Centennial~ 最終日(6日)◇横浜CC(神奈川)◇パー71(7231yd)◇晴れ

4mのバーディパットを打つまでに3時間半近くかかった。序盤2番で2打目をピンそばにつけた後、降りしきる雨水がグリーンのライン上で浮いた。雨脚が弱まるのを待ったまま数分後の午前10時22分に中断し、クラブハウスでの待機を終えた午後1時45分。再開後にチャンスをものにした中島啓太は力強くガッツポーズを作った。

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2打差の2位からお馴染みの最終日最終組。中断前の1番で決めたバーディ発進の勢いを止めるわけにはいかなかった。「入れたら絶対に流れが僕に来る」とにらんだクラッチパット。同組の2人は中断前に2番のプレーを終えていたため、「周りにいてくれたギャラリーは僕のバーディパットしか見に来ていない。絶対に入れたい」と思った。長い待ち時間を挟んだ2連続バーディでトップにいた稲森佑貴を捕え、3番で抜き去った。

再開後も断続的に雨が落ち、他選手もスコアが上下する展開で、中島は「自分を客観視する」ことを意識した。「前までは自分に『落ち着け』とか『こんなところで終わっちゃいけない』と考えていたが、(今回は)ギャラリーの方の目線で自分を見た。『落ち着いているのかな』、『焦っていないかな』と(別の自分が)自分を心配してくれるような感覚」。ことさら平常心を自分に強いるでもなく、どこか傍観者のように自らを見ていた。

フェアウェイからスピンと傾斜で手前に戻し、ピンそば1mにつけた折り返しの9番までに5バーディ。大きなミスもボギーにした5番、第1打を左の林に曲げたショットくらいで、後半インは盤石のプレーを展開した。

通算13アンダー。「最後まで怖かった」蝉川泰果清水大成の追い上げを感じながら、最終18番(パー3)では15mのバーディパットをきっちり寄せてパーで逃げ切り。3日目までに5回あった3パットを反省し、栖原弘和トレーナーに相談したのが前日のこと。「僕はパッティングはクロスハンドなので、左肩がどんどん被ってきてしまう」。アドレスから左ひじの位置を身体に近づけるよう修正し、安定したストロークを続けて「66」をマークした。

日体大時代の4年間を過ごした横浜は、地元の埼玉・加須市に次ぐ「第二の故郷」。フェアウェイが硬く、ミスが大トラブルになりやすい横浜CCを全英オープンのリンクスになぞらえた。「絶対にいれちゃいけないバンカーは今週もあった」。2週前、ロイヤルリバプールでの全英で予選落ちしたばかり。賞金ランクでトップに返り咲いても、思いは海の向こうにある。

「全英オープンでも予選は通れませんでした。向こうに行くと予選を落ちる実力で、まだまだ足りないものが多い。優勝で満足することなく、モチベーションも、志も高く持って、向こうでゴルフができるように。早く松山(英樹)さんのいるPGAツアーに挑戦できるような選手になりたい」

凛としたまま勝ち取ったツアー通算3勝目。一昨年にアマチュアで「パナソニックオープン」を勝ったときも、ことし6月「ASO飯塚チャレンジド」でプロ初勝利を挙げたときも、泣きはらした姿はもうそこにない。(横浜市保土ケ谷区/桂川洋一)

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