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44歳・矢野東の“生活の中心”と「リブゴルフ」への理解

◇国内男子◇ASO飯塚チャレンジドゴルフトーナメント 事前(8日)◇麻生飯塚GC (福岡)◇6809yd(パー72)

福岡県の麻生飯塚GCではかつて「アサヒ緑健よみうりメモリアル」という男子ツアーの大会が開催されていた。第2回開催の2005年、優勝したのは当時28歳だった矢野東。プロ入り6年目で勝ったコースの思い出は「鮮明に覚えている」と今もそのまま。そして「やっぱり17年経つとすべてが変わっている。ぜんぜん違います」とも変化を感じてやまない。

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「あの頃は、世界は自分中心に回っていると思っていた」と正直だ。それが44歳になった今は「残りの人生をどう生きるかと考えるところもある」とゴルフとの向き合い方がシフトしているところ。2021年、ツアーにシード選手として復帰したが、好スコアで上がっても内容に不満なら不機嫌、練習場で1球でも多く打ち込もうと躍起になっていたときの姿は影を潜めた。

レッスンやYouTube事業等にも元気なここ最近。「生活の中心は自分の中ではツアーではないんです」と語る。40代になって生活の中心はズバリ「子どもです」。4歳と2歳の2児のパパ。風そよぐ季節。予選落ちしたとなれば週末に向かうのはドライビングレンジではない。「この前も上野動物園と成田ゆめ牧場に行ってきた」。子どもたちを長時間抱き上げた翌日は決まって、トレーナーに「何をやってきたんですか」と硬くなった体に驚かれる日々だ。

話は海の向こうに及ぶ。今週、オイルマネーをバックにした「リブゴルフ・インビテーショナルシリーズ」が英国で開幕する。ダスティン・ジョンソンケビン・ナといった中堅以上のタレント数人が主戦場だったPGAツアーに別れを告げて新リーグに飛び込む。年間試合数は8試合で賞金総額は300億円超、しかも予選落ちがない。“稼ぐ効率”の高さで言えば前代未聞と言える。

新団体に賛同した彼らはいずれも声明に「家族との時間を優先させたい」との意向を込めた。「その気持ちはすごく理解できる」と矢野は言った。「ツアー生活を20年やってきて、時間を犠牲にしてきた。趣味を持つ時間、体のことを気にせずに過ごす時間もなかった。今なら僕は子どもをもっといろんなところにつれて行ってあげたい気持ちもある」

海外のトピックスとはいえ複雑な思いが湧くのは、登場した「リブゴルフ」と欧米ツアーとの軋轢が生まれていることだ。「細かい話は分からない。ただプロゴルファーが、自分が戦う場所を選ぶのは自由だと思う」と、例えば出場権はく奪をほのめかすPGAツアーの強固な姿勢には疑問を投げかける。

「仮にビッグネームを取られてしまっても、PGAツアーの人気がなくなるとは考えにくい。その分、彼らの枠が空いて新しい選手が入ってくることによってまた循環が良くなる。オイルマネーであっても、ああいう(新構想)のが根付くと日本でも別のやり方ができる気もする」。波紋を広げている新団体が、何十年も続いてきたツアーの在り方に一石を投じていることは事実と言える。(福岡県桂川町/桂川洋一)

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