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辻村明須香 ビジュアル系からの脱却を目指して

「嬉しいですね、一番嫌な事だったから」 2007年の国内女子ゴルフツアー開幕戦「ダイキンオーキッドレディス」で、米山みどりとプレーオフまで優勝を争ったが、あと一歩のところで惜しくも初優勝を逃した辻村明須香(24)。

170cmのスラリとした長身とその美貌で、観戦する多くの人々に新鮮な印象を残したに違いない。これまでも、いわゆるビジュアル系ゴルファーとして雑誌のグラビアなどに取り上げられていたが、本人にとってそれは「あまり好きな仕事じゃなかった」そうだ。

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「やっぱり、ゴルフが本業なので」。だが、ダイキンでの優勝争い以降、ゴルフに関する取材が多くなった。「嬉しいです、一番嫌な事だったから」。外見だけでなく、実力で注目されるようになったことを、本人は何よりも喜んだ。

注目を集めたファッションも、特別見せようという意識は持っていない。「身だしなみっていうんですか?昔からあれこれコーディネイトするのが好きなんです」。ダイキンで得た賞金720万円でも大きな買い物はせず、「ちょこちょこ洋服とか買っているくらい」と微笑んだ。

「筋力は、まったく無いです(笑)」 昨年1年間は江連忠氏の元でトレーニングを積み、「筋肉がないとボールが打てないことが分かった」という。そこで今年のシーズンオフは筋力トレーニングを重視した。「チューブを使ったり、ウェイトを使ったり。でも、そんなに激しくはないですよ。元(の筋肉)があまりないから2~3kgの軽いやつを(笑)」。目指すのはドライバーの飛距離アップだ。「今は220~30ヤードだけど、それをもっと伸ばしたいです」。

「1試合1試合、きっちり準備をして臨みたい」 昨秋のQT(予選会)でファイナル進出を逃した辻村は、今年は主催者推薦での8試合に出場が限定されている。だが開幕戦であれだけの活躍をすれば当然出て欲しいという大会も多くなり、時には突如出場依頼が舞い込んだりするそうだ。

「出たい!と思っても、練習が出来ないスケジュールだったりして・・。1試合1試合、きっちり準備をして臨みたいっていうのがありますね」。

大切な8試合。他の選手が1年間でシード獲得を目指すのに対し、限られた出場試合で約1,500万円を稼がなくてはならない辻村にとって、一試合が持つ意味は格段に大きいのだ。

「楽しみもありつつ、不安もあります」 国内女子ツアー第4戦となった「ライフカードレディス」で、辻村は6週間ぶりにツアーに復帰した。「早かったですね。あっという間ではないですけど」「楽しみです。楽しみもありつつ、不安もあります」。大会前、相反するその言葉に期待と不安の入り混じった気持ちが見え隠れした。

「ダイキンでは、気持ちの持ち方を学びました。自分の場合は緊張したり、手が震えたり、どうしようかっていう感じだったけど、『よーし、勝つぞ!』って気持ちでいると全然違う。今度はそう思おうと思いました」。では、今週は勝つぞっていう気持ち?と聞いてみた。「別に、それはないですけど・・。調子はボチボチなので、試合では自分のベストを尽くしたいです」。極力自分へのプレッシャーを掛けないようにしているようだ。

その試合では、初日の1番ホール、第1打を右にOBしてしまう。「あれで怖くなって、その後ドライバーが振れなくなってしまいました」。初日「83」、2日目は「77」とスコアを伸ばせず、無念の予選落ちを喫した。

「昨日が打っちゃったから・・。でも、今日はちゃんと当たったし、スイングも戻ったので、次に繋がると思います。課題も見つかったし、良い勉強になりました」。意外と明るい辻村を見て安心した。「次は見ていてくださいね!」次戦は、地元福岡での「ヴァーナルレディース」に出場予定だ。

「しゃべると人懐っこいです」 人が知らない意外な一面ってある?と聞くと、「しゃべる前はつんけんしてそうに見られるけど、しゃべると人懐っこいってよく言われます」と目を輝かせた。ファンの間では“あすみん”という愛称で親しまれている辻村だが、その大勢のファンの為にも、“あすみん”は再びあの舞台へと戻る覚悟だ。



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