海外で修業を積む松山英樹の後輩たち
2017年 CIMBクラシック
期間:10/12〜10/15 場所:TPCクアラルンプール(マレーシア)
「何も変えない」41歳チャンピオンが筋トレをしない理由
◇米国男子◇CIMBクラシック 最終日(15日)◇TPCクアラルンプール(マレーシア)◇7005yd(パー72)
4打差首位から出た最終日に「68」で回って通算24アンダーとし、2位に4打差をつけてツアー3勝目を挙げたパット・ペレス。41歳のペレスは、2010年から始まった大会史上最年長の優勝者となった。
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2016年に左肩の手術をしたペレスは、昨年のこの大会が約1年半ぶりの復帰戦となった。その2戦後の「OHLクラシックatマヤコバ」で、8年ぶりのツアー2勝目を達成。遅咲きながら、いまが“旬”といえる選手だ。
「みんなすばらしい選手だから、最後までエネルギーを残しておかないといけない。きょうは誰かが『63』とかを出してくるだろうと思っていた。17年前の自分とは違うし、5年前ですら違う。どういうゲームをすればいいか、どうやって自分自身のプレーをして無理をしないか。自分は遅咲きだから、そういうことを学んでいるよ」と、人懐っこい陽気な笑顔で説明した。
ショットは悪いながら、こともなげにロングパットを沈めていき、4日間でたたいたボギーはわずかに3つ。松山英樹と回った予選ラウンドでも、多少曲げても気にも止めず、朗らかにラウンドする姿が印象的だった。
そんなペレスは、トレーニングをしないことで有名だ。「嫌いだね。ゆっくり座って、何もしないのが好きだ」と公言。自分がいま持っているものを受け入れて、できる範囲のことだけやって背伸びをしない。心の余裕も、勝利に貢献したように思えてしまう。
遅咲きかもしれないけど、こんなに良いパフォーマンスを見せているから目標も変えるのかい?と問われたペレスはこう答えた。
「何も変えないよ。これまで通りトレーニングもしないし、健康に悪いものを食べて、人生を楽しむよ。いままでの仲間たちとつるむとか…。そう、何も変えない。1日1日、一生懸命やるだけさ」
こんなゴルファーがいるのもまた、PGAツアーの魅力だ。(マレーシア・クアラルンプール/今岡涼太)
今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール
1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka