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アマとV争いのさなか プロの矜持を貫いた池田勇太の1Wショット

◇国内男子メジャー第3戦◇日本オープンゴルフ選手権競技 最終日(15日)◇岐阜関カントリー倶楽部 東コース(岐阜)◇7180yd(パー70)

危険な賭けにも思われようとも、その姿勢を崩すわけにはいかなかった。アマチュアの金谷拓実(東北福祉大1年)を1打差で振り切り、3年ぶりの「日本オープン」制覇を遂げた池田勇太。ティショットがままならず、2ホールでOBを喫した乱調の最終ラウンドでも、信念まで曲げることはなかった。

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3日目までに築いた5打のリードを前半に1打まで縮められ、迎えたサンデーバックナイン。前日まで333ydだった11番パー4は、297ydに設定された。オナーの金谷がティショットをアイアンでフェアウェイに刻んだ直後、池田は迷うことなく1Wを握った。ホールをセッティングする側の意図をくみ取り、豪快に1オンに成功してバーディ。さらに再び1打差になった最終18番の第1打では、金谷の3Wの選択に対し、池田は1Wを振り切ってフェアウェイをとらえ、混戦に終止符を打った。

伸び盛りの19歳との最終日最終組対決。池田は「もちろんスタートからプロのプライドがあった」と言う。ただそこには、単なる勝負を超越した矜持があった。

「俺らは(ゴルフで)商売をさせてもらっている。11番はそういうセッティングになっているわけだから。距離は十分(グリーンに)届くと思ったし、それが例えば5ydの差で乗るか、乗らないかだとしても、やっぱり(ギャラリーは)金を払って観に来ているから。そこは1Wをもって、『これが男子プロのスゴさだぞ』と魅せなきゃいけない」

右へ左へと暴れたこの日の池田の1Wショット。制御不能と思われた18番でも、それは同じだった。岐阜関カントリー倶楽部で12年、ハウスキャディを務め、今回初めてタッグを組んだ長谷部恵里さんは「全然、迷う様子はありませんでした」と言った。

「優勝争いをしていて、1打、2打のリードだったら刻んでいいかって…」と池田。「刻んでパーで終わるかもしれないけれど、そんなのを観に来ているギャラリーはいない。プロゴルファーって、男子プロって、こういうもんなんだと、テレビを観ている人にも伝えたい」

激闘後の表彰式で、池田は金谷の健闘をたたえながら、その2ホールの攻め方について会話をした。19歳にも言い分はある。11番ホールは、金谷の飛距離ではグリーンに届く可能性は限りなく少ない。雨で飛距離が出ないケースではなおさらだ。手前のバンカーや深いラフからの2打目を強いられる公算が高い。

ただ、18番はどうだったか。「初日、3日目と3Wで打ったので…」と金谷は言ったが、「やっぱり魅せるゴルフができるのがプロ。(池田は)自信があるからああいう選択ができる。自分もこれから先、(1Wを)持てるようになりたい」と、うなずいた。

ツアー通算19勝目をメジャー3勝目で飾った池田は、リスクを冒してでも自分たちの在り方を説いた。それは、いずれ競争相手となるトッププロ予備軍に伝わった。(岐阜県関市/桂川洋一)

桂川洋一(かつらがわよういち) プロフィール

1980年生まれ。生まれは岐阜。育ちは兵庫、東京、千葉。2011年にスポーツ新聞社を経てGDO入社。ふくらはぎが太いのは自慢でもなんでもないコンプレックス。出張の毎日ながら旅行用の歯磨き粉を最後まで使った試しがない。ツイッター: @yktrgw

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