R.マキロイが逆転優勝で世界ランク首位に返り咲き 松山は12位
2014年 WGCブリヂストンインビテーショナル
期間:07/31〜08/03 場所:ファイヤーストーンCC(オハイオ州)
小樽があれば違っていた?米ツアースポット参戦の難しさ
オハイオ州アクロンにあるファイヤーストーンCCで行われた世界ゴルフ選手権シリーズ第4戦「WGCブリヂストンインビテーショナル」の4日間を戦い終え、丸山大輔は通算17オーバーの68位、竹谷佳孝は通算18オーバーの69位タイ。2人とも4日間で1度もアンダーパーをマークすることはできなかった。
「長かった。ただただ長い、それだけでした」と肩を落とした丸山。最終日は朝から降り続いた強い雨の影響で、10時45分から12時まで中断を余儀なくされたが、丸山がスタートしたのは8時台。「ランが出ないし、ラフに入ったら出すだけ。非常に苦しかった」と、なすすべなく「78」(パー70)で戻ってくるのが精一杯。
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「これが最後のアメリカだと思ってやっていた。やりながら、未来のないゴルフは厳しいなと。これから飛ぶようになるわけでもないし、パターが入るようになるわけでもない。どういうゴルフを目指し、どういうスタイルでやっていけばいいのか考えながらやっていたけど、見つからなかった」と、ホールアウト後は刀折れ矢尽きたように宙を見つめた。
一方の竹谷は「耐えなきゃと思ったけど、耐えられないリズムだった。単純に長い。どうやっても、今の技術、調子、気持ちという部分じゃ足りなくて、本当に難しいと思った」と同じく飛距離の壁に跳ね返されたが、「打ちのめされたけど、またこういう舞台に来たいと思えることが収穫」と、課題に正面から向き合う姿勢で胸を張った。
7,400ヤード、パー70のファイヤーストーンCC。だが、このコースのもう一つの落とし穴は、バッバ・ワトソンが16番(パー5)で424ヤードをかっ飛ばしたことでも分かるように、飛距離のある選手のランディングポイントは下り傾斜になっていたり、幅が広くなっていたりする一方で、そこにたどり着くまでのポイントは逆に狭い。丸山は最終日の8番ではフェアウェイにすら届かなかった。
第2打で握るのはユーティリティやロングアイアンばかり。日本選手が海外選手に比べて能力が劣っているとは思わないが、現在の日本ツアーでこういった長いコースが使われていないのが問題だろう。「アメリカに来ていたときは、普通の3Iもうまく打てていたけど、今は打たないんで4Iも厳しい感じ」と丸山は言う。ティアップされたパー3で使うのとは訳が違うのだ。
「昔はあったんですけどね」と2人が口を揃えたのは、「サン・クロレラクラシック」が開催されていた小樽カントリー倶楽部のこと。12年を最後にツアースケジュールから消滅してしまったが、当時は7,471ヤード(パー72)でプレーされており、洋芝の粘っこいラフと相まって、選手たちからは恐れられ、またツアー屈指の難コースとしてその闘争心を煽っていた。
“コースが選手を作る”という側面は否定できない。男子も女子も国内での状況は同じだろう。選手たちがどんなに努力しようとも、その技を引き出す舞台がなければ折角の技術もさび付いてしまう。ゴルフ場にとっては、通常営業での集客やプレー時間、メンバーの同意など、ひと筋縄ではいかないだろうが、日本にタフなコースが増えてくれば、それだけ世界で戦える選手が出てくる可能性も高まるはずだ。(オハイオ州アクロン/今岡涼太)
今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール
1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka