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たとえ左手一本でも「絶対にやめてはいけない」

2014/01/17 17:02


今週、カリフォルニア州ラ・キンタで行われている米ツアー「ヒュマナチャレンジ クリントンファウンデーション」は、予選3ラウンドは毎日違うアマとペアを組んで一緒に回るプロアマ方式。石川遼の関係者はこう証言する。「朝、練習場で(ペアとなるアマチュアが)片手でパットしているところを見たんですよ。でも、まさかドライバーは打たないだろうね、なんて話していたんだけど・・・」。その予想はものの見事に裏切られた。

この日、石川とペアを組んだのはカナダ・モントリオール出身の55歳、ローレント・ハーツビス(Laurent Hurtubise)さん。「生まれたときからこうだった」という右手には、肘から先の部分がない。

だが、左手のグローブは口を使って器用にはめ、ひとたびドライバーを握れば飛距離は200ヤードをゆうに越え、アイアンショットはおろかアプローチでも、左手一本で微妙なタッチを出してピンへと寄せてくる。これまでに、アンダーパーでのラウンドも2度記録したことがあるという腕前だ。

これには石川も脱帽した。「(同組の)スペンサー(レビン)とも話したけど、僕らが片手でやるより全然うまい。プロゴルファーが片手でやっても、あんなのできないですよ」。

ローレントがゴルフを始めたのは11歳のとき。母に“やってみたら?”と言われたのがきっかけだという。「バイクに乗って朝8時にコースに行く。27ホール、36ホール、45ホールとプレーして夕方4時に家に帰る。そうして次の日またコースに行く。それが、まわりの人たちに対して、自分も人と同じようにやりたいことをできるんだってことを証明する方法だったんだ」。人懐っこい笑顔がこぼれた。「とはいえ、そんなに上手くなかったけどね(笑)。まだ若かったから、それでもよかったんだ」。

初めて「80」を切ったのは10年前。その後、06年には北米の「ワンアームド(片手だけでプレーする)ゴルフ選手権」で優勝し、08年には初開催となった「ファイトマスターカップ(北米と欧州のワンアームドゴルファーがライダーカップ形式で戦う対抗戦)」で、4戦全勝で北米チームの勝利に貢献した。

アメリカには負傷兵も少なくない。今後は、ハンディキャップを負った人たちにゴルフを広めていく活動や、彼らによい刺激を与えていくことが目標だとローレンスはいう。「パラリンピックにはゴルフはないの?でも、その大会でプレーできたら最高だね」。

彼がこれまで胸に刻んできたのは、「たとえハンディキャップがあろうとなかろうと、何ごとも頑張ってやり通さないといけない。絶対にやめてはいけない」という言葉だという。「常にトンネルの先に、光を見ていないといけないんだよ」。(カリフォルニア州ラ・キンタ/今岡涼太)

[関連リンク]
North American One-Armed Golf Association(http://www.naoaga.com)

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