トンプソンと朴セリが首位に 日本勢は藍、さくら、野村の3人が決勝へ
2014年 クラフトナビスコ選手権
期間:04/03〜04/06 場所:ミッションヒルズCC (カリフォルニア州)
36歳・朴セリが“グランドスラム”へ首位に浮上
1998年「マクドナルドLPGAチャンピオンシップ」でツアー初優勝をメジャーで果たした朴セリ(韓国)。同年の「全米女子オープン」も制して一躍世界のトップに名を連ねると、2001年には「全英女子オープン」も制すなど、ツアー通算25勝のキャリアを持つ。
その朴が「クラフトナビスコ選手権」の予選2日間を終えて、通算7アンダーの首位タイに浮上した。今大会を制すと“キャリアグランドスラム”を達成することになる。
<< 下に続く >>
グランドスラムは、米国メディアが「すべてのメジャーを勝つ」とう意味で使い始めた用語。昨年から「ザ・エビアン選手権」がメジャー大会に昇格し、米国女子のメジャーは全5大会になっているため、朴セリが今大会で優勝した場合にそう呼ばれるか、厳密には微妙だが…。PGAコミッショナーのマイケル・ワン氏が昨年、エビアンまですべて制した場合について「スーパースラムになるだろう」と発言していることもあり、今回は「メジャー4大会で優勝する」という意味で話題になっている。
それでも、これまでにその栄誉を掴んだのはアニカ・ソレンスタム(スウェーデン)が2003年に達成したのが直近で、ほかに、今大会にも出場しているジュリー・インクスター、カリー・ウェブ(オーストラリア)らを入れても女子プロゴルフ界で計6人しかいない快挙だ。
現在36歳の朴は、2010年に25回目の優勝を果たして以来、優勝から遠ざかっており、年間2勝以上を果たしたのも03年が最後となっている1つのピークは過ぎたと考えられてきた選手だ。まして自ら影響を与えて世界を席巻するに至った韓国勢を中心に、若手台頭が著しい今、再びメジャーに勝つことが容易ではないと言わざるを得ない状況でもある。
「以前、ツアーで優勝を重ねているころはゴルフしか知らない、人との交流もなくゴルフ漬けの生活でした。ゴルフを嫌いになった時期もありました」。2日目のラウンド後に共同インタビューを受けた朴は、遠くを見つめ言葉を選びならが昔を振り返った。
そして「今は、全てを楽しむことができている。ゴルフを楽しみ、ゴルフ以外でも自分自身のことや多くの友達との交流など、たくさんの経験が生かされていると思う。メジャーでこれまで5回勝てたこと、それこそ若い時に多くの勝利を掴めたことが経験になっている。1戦1戦、1打1打に集中して、気持ちを切り替えることができるようになった」と続けた。
ラウンド中も多くのゴルフファンが朴の好プレーに拍手と声援を贈り、朴は嬉しそうに笑顔で応える。その姿には歴戦のメジャー覇者に相応しい余裕と貫禄が漂う。
来年の大会継続が「白紙」とされる「クラフトナビスコ-」は、優勝者が18番グリーンサイドの“ポピーポンド”(ポピー池)に飛び込むのが慣例で、これを楽しみにしてきた選手も多い。締めくくりを飾る “優勝者のダイブ”は、勢いのある若手よりもツアーを牽引してきた朴のようなベテランの方が絵になるような気がしてきた。(カリフォルニア州ランチョミラージュ/本橋英治)
- 横峯さくら参戦!宮里藍・宮里美香・有村智恵ら日本勢が世界に挑む!
- カリフォルニア州のミッション・ヒルズCCで開催されるクラフト・ナビスコ選手権。今シーズンのメジャー大会第1戦で、毎年同じコースで行なわれることから“女子版マスターズ”と呼ばれる格式高い大会。優勝者が18番ホール脇の池に飛び込む、恒例の“勝者のダイブ”にも注目。 日本勢は宮里藍、宮里美香、有村智恵、上原彩子に加え、横峯さくらも参戦予定!WOWOWは熱戦の模様を連日生中継!大会初日は無料放送でお届け。