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遼を夢見る“史上最年少”プロゴルファー

滋賀県の琵琶湖カントリー倶楽部で開催中の国内男子ツアー第16戦「アジアパシフィックオープンゴルフチャンピオンシップ パナソニックオープン」の決勝ラウンドを、まだ15歳の少年が戦っている。タイ出身のアティウィット・ジェーンワタナノンド。昨年11月にプロ転向し、将来を嘱望されている選手だ。

1995年11月26日にタイ・バンコクで生まれ、父の影響でゴルフを始めたのは8歳。するとプライベートではあるがわずか1年余りで“100切り”を達成。11歳の頃から競技に出場し、その後は数々のアマチュアタイトルを獲得した。注目が一気に集まったのは昨年2月の「アジアンツアー・インターナショナル」。14歳71日で予選を通過しアジアンツアー史上最年少記録を樹立。そして昨年11月25日。誕生日の1日前、14歳(と364日)でプロ転向し、同ツアーの史上最年少プロはデビュー戦となった「キングスカップ」で44位タイに入る活躍を見せた。

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ニックネームは「JAZZ(ジャズ)」。一番の憧れはタイガー・ウッズでもなく石川遼だときっぱり言う。2007年5月。「マンシングウェアオープンKSBカップ」で史上最年少優勝をマークした15歳(当時)の存在を数か月後に知った。プレーはもちろんメディアを通じて「ゴルフへのマナー、話すことが本当に素晴らしいと思うんです」と感銘を受けたという。

そして今年1月のアジア選抜と欧州選抜の対抗戦「ザ・ロイヤルトロフィ」ではプロアマ戦で石川とプレーをともにした。推薦出場している今大会初日のラウンド終了後にパッティンググリーンで再会を果たすと、緊張気味の表情に笑みが浮かんだ。

まだ細身の体をいっぱいに使ってスイングする。ドライバーの飛距離は285ヤード前後。この3日目は1オーバーの34位タイからスタートし「79」と大きく崩れたが「僕にはまだ勉強することがいっぱいありますから」と充実感を漂わせた。

ジャズは現在、来季の日本ツアー参戦を目指し、今月初旬に行われたセカンドQTを3位で突破した。目下のターゲットは11月中旬のサードQTになる。タイ語、英語に加えて日本語も勉強中。この日、同組で回った小田孔明谷原秀人のことも「もちろん知っていました」。日本食での好物は焼き鳥、焼き肉・・・とさまざま。この日の朝は鳥の唐揚げを食べて試合に臨んだ。また、日本の人気漫画「ONE PIECE」のファンで自宅にはコミック全巻が並んでいるという。

夢は2016年のリオデジャネイロ・オリンピックに出場すること、そしてマスターズ制覇だ。日本で、海外で石川が樹立してきた、ありとあらゆる最年少記録を更新する存在になれるだろうか。(滋賀県栗東市/桂川洋一)

桂川洋一(かつらがわよういち) プロフィール

1980年生まれ。生まれは岐阜。育ちは兵庫、東京、千葉。2011年にスポーツ新聞社を経てGDO入社。ふくらはぎが太いのは自慢でもなんでもないコンプレックス。出張の毎日ながら旅行用の歯磨き粉を最後まで使った試しがない。ツイッター: @yktrgw

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2011年 アジアパシフィックオープンゴルフチャンピオンシップパナソニックオープン



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