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考えたのは“ボールと打順” JGTOチームのV戦略

◇国内ツアー対抗戦◇Hitachi 3Tours Championship 最終日(11日)◇大栄カントリー倶楽部(千葉県)◇3625yd(JGTO)、3417yd(PGA)、3261yd(JLPGA)=9ホール(パー37)

国内3ツアーによるペア対抗戦は、国内男子(JGTO)チームが5年ぶりの優勝を遂げた。各自のボールをプレーして良い方のスコアを採用する午前中のベストボール方式(フォアボール)でリードを奪い、1つのボールを交互に打つ午後のオルタネート方式(フォアサム)で逃げ切った。

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異なる2つのフォーマットのうち、選手たちの頭を特に悩ませるのがオルタネート方式だ。ゴルフは、使用するボールの種類を自身で選べる競技であるがゆえに、プロゴルファーたちはその選択に強いこだわりを持ち、飛距離の差だけではなく、スピン量や初速といった目で見えないレベルの細かな差を繊細に感じ取る。あのタイガー・ウッズも「ボールが決まらないと、クラブを決められない」と断言するほどだ。

しかし、オルタネート方式では、パートナーが使うボールを打たなければいけない場面が必ず訪れる。JGTOチームのキャプテン比嘉一貴はその点に着目し、戦略を練った。ペアリング決定の経緯を聞くと「一番(の理由)はボールです」と即答した。

「ダンロップが2人(星野陸也桂川有人)、タイトリストも2人(蝉川泰果大西魁斗)いたので、そこで組んでもらった。僕は正直ボールの違いがあまり分からないし、キャロウェイ(河本力の使用ボール)は僕が今使っているボール(ブリヂストン)と近いと感じたのもあったので」

ボールのメーカーを合わせたペアにすることで「なるべくいつも通りできるように」を心掛け、普段の試合に限りなく近いパフォーマンスを発揮することができたという。

こだわりはボールだけでなく打順にも。オルタネート方式では、ティショットの担当ホールも決められている。1番でティショットをした選手は3、5、7、9の奇数ホールを担当し、偶数ホールのティショットはもう一方のパートナーが打たなければならない、というルールだ。

舞台の大栄カントリー倶楽部は4、6、8番がドッグレッグとなっており、ティショットの落とし所に正確性が求められる。一方、パー5の5番(592yd)や1オン可能な9番(295yd)では、豪快なビッグドライブがスコアを伸ばす鍵となる。

午後最終組の比嘉&河本ペアは、ツアー屈指のショット精度を誇る比嘉が偶数ホールを担当。今季ドライビングディスタンス315.74ydで断トツの河本が奇数ホールを受け持ち、女子(JLPGA)の菅沼菜々山下美夢有、シニア(PGA)のプラヤド・マークセン塚田好宣に2打差をつけた。

これらの作戦は「ライダーカップ」や「プレジデンツカップ」といったオルタネート方式を取り入れている海外の団体戦では当たり前となっているかもしれないが、星野を除く5人が初出場でオルタネートに不慣れなJGTOメンバーがJLPGAとPGAを抑えて頂点に立ったことは、まさに“作戦勝ち”と言えるだろう。大会最多を更新する8勝目を挙げたJGTOチームのド迫力プレーは、繊細な感覚と緻密な戦略によって支えられていた。(千葉県成田市/内山孝志朗)

内山孝志朗(うちやまこうしろう) プロフィール

1995年、東京都生まれ。2018年に新卒でGDOに入社し、CS、ゴルフ場予約事業、練習場事業を経て編集部へ。学生時代は某男子プロゴルファーの試合を見るためだけに海外に行き、観光せずにゴルフ場とホテル間をひたすら往復していた。訪れた町を散策することが出張時の楽しみ。

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