コロナ禍の男子プロたち/「JOYXオープン」フォトギャラリー
ささきしょうこが“日本一の草大会”にプロ初参戦 アマ時代は伊澤とプレーも
賞金王から小学生のアマチュアまで、男・女・プロ・アマを問わず同じティからプレーする1日競技「JOYXオープン」は、“日本一の草大会”の異名を持つ。2日(日)にJOYXゴルフ倶楽部上月コース(兵庫県)で行われた2020年大会には、中学3年以来、9年ぶりという女子プロのささきしょうこも参戦した。
プロとして出場すると「距離もあるし、大たたきできない」と、プライドと責任感が両肩に乗ってくる。ミスを恐れなかった中学生時代の方が飛ばしていたのも、改めて気づいた事実。コース総距離は7000ydを超え、「直ドラでも届かないホールがいくつかあって、いつもより飛ばそうとして振っちゃうから、アプローチやパッティングでパンチが入った」と力感コントロールに苦心した。上がり2ホールを連続バーディで締めて「78」に収める意地も見せたが、梅雨明けしたばかりの暑さも厳しく「疲れましたね」と苦笑いした。
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ささきは、中学1年生のときに行われた第1回大会にも出場している。一緒に回ったのは伊澤利光と広田悟。「あの頃は怖いもの知らずで、大人に勝てたら“やったー”みたいな感じだった」と伸び伸びプレーした記憶がある。「伊澤さんが、『おいで、おいで』って言ってくれて。『ここで見ていていいよ』って、近くでバンカーショットを見せてくれた。しばらく伊澤さんのマネをして、砂を薄く取って、低く出して、キュキュって止まるように打ってみたけど、ホームランが止まらなくなったのでやめました(笑)」
当時、関西ではジュニアやアマチュアがプロと回れる機会はほとんどなかった。「私が高校に入る頃には、トッププロと回れるから男の子たちも(予選会に)たくさん出るようになってきた」とレベルが上がり、いまではU12、U15、U18、U22、一般、プロと細分化された予選会を突破するのもひと苦労だ。
今年の最年少出場は12歳の岡村昂汰君(兵庫・峰相小6年)。今年は新型コロナウイルス感染症の影響で、U12の予選会にエントリーしたのは一人だけ。それでも、「1Wは悪かったけど、パットとアプローチが良かった」と、4オーバー「76」で回ってきた。この日、一緒にラウンドした武藤俊憲にサイン色紙をもらい、「将来は武藤プロのように、レギュラーツアーで何勝もできるようになりたい」と目を輝かせていた。
いつかはささきのように“プロ”として大会に戻ってくるのだろうか?“日本一の草大会”は、今年も地道に日本ゴルフ界の底辺を広げていた。(兵庫県佐用町/今岡涼太)
今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール
1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka