「昼食よりコースで」 世界各国歴代トップたちのゴルフ外交
トランプ大統領は池ポチャ 「刻まない」安倍首相の最終ホールは?
「日米同盟をさらに緊密化し、強化していくことで完全に一致した」。安倍晋三首相とドナルド・トランプ米大統領は、共通の趣味を楽しんだ後とは思えない険しい表情で記者団の前に姿を見せた。
両首脳は11日(日本時間12日)、トランプ氏が所有するフロリダ州のゴルフ場でプレーをともにした。「幅広い話題について会話した」(米ホワイトハウス)が、ラウンド後は北朝鮮の弾道ミサイル発射への対応に追われた。
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と…世界情勢を考えて少々背伸びした書き出しになったが、ゴルフ専門媒体なのでそんなことを語れるわけもない。ただ、今回の“ゴルフ外交”はベールに包まれている。
取材規制が厳しく、ゴルフ場に同行した代表記者団(日本メディアは朝日新聞とTBS)はクラブハウス内の「目張りされた」(ワシントンポスト)部屋に押し込められ、様子をうかがうことができなかったからだ。そこで、関係者の証言や公にされた情報を通じて、実態に迫ってみた。
安倍首相とトランプ大統領は、ジャック・ニクラスが設計したトランプナショナルGCジュピターで1ラウンド、トランプインターナショナルGCウェストパームビーチで9ホールをプレーした。いずれも会員制だ。
ジュピターでのティオフは午前10時1分。ホールアウトは午後1時42分だった。両首脳に加え、アーニー・エルス(南アフリカ)らプロゴルファー2人が同伴した。日米ともに他の閣僚や官僚は立ち会わず、キャディと通訳、SPだけが付き添った。12台前後のカートが列を成し、安倍首相とトランプ大統領は2人乗りカートに同乗した。
この日は貸し切りではなく、他の会員もプレーした。クラブハウスのバルコニーから見守った関係者によると、最終18番(パー4)で、トランプ氏は2打目(ティショットでトラブルがなかったとの前提)をグリーン手前の大きな池に入れた。打ち直しの4打目をグリーン近くに運び、寄せてダブルボギーを喫した。
「刻むという言葉は私の辞書にはない」と前日に述べていた安倍首相の2打目は、グリーンに届かなかった。30ydのアプローチを失敗したが、エプロンから寄せて“OK”のボギーとした。
両首脳はホールアウト後、ウェストパームビーチに移動。午後2時52分にスタートし、午後4時8分に9ホールを終えた。今回のスコアは明らかになっていないが、トランプ氏は18ホールのベストを「72」と公言している。スコアを“国家機密”としてきた安倍首相は昨年8月、「91」で回ったことを同伴者に漏らされた。
トランプ大統領は「米国は、偉大な同盟国の日本を100%支持する」と述べた。日米トップが過ごした27ホールは、世界情勢にどんな影響を与えるのだろうか。(編集部/片川望)
片川望(かたかわはるか) プロフィール
1975年生まれ、性別「男」。通信社の記者を経て、2014年GDOニュース編集部。トーナメント会場にはたまに現れるレアキャラだが、見かけてもご利益はない(はず)。「どちらかと言えばエディター」を自称しており、普段は東京・五反田界隈に生息している。ツイッター: @hrkktkw