国際色の豊かさも魅力 欧州ツアーフォトギャラリー
2014年 ハッサンII ゴルフトロフィー
期間:03/13〜03/16 場所:ゴルフ・ドゥ・パレロイヤル(モロッコ)
伊藤誠道 予選落ちも“成長の糧”
3度目の挑戦も、モロッコを吹く海風、そして難コースの前に屈した。モロッコ王宮内のゴルフ・ドゥ・パレロイヤルで開催された欧州男子ツアー「ハッサンIIゴルフトロフィ」の2日目、日本から招待選手として出場した伊藤誠道が、4バーディ、3ボギー、3ダブルボギーの「77」と崩れ予選ラウンドで姿を消した。
初日トップは10アンダーの独走にも、1アンダーの38位タイとまずまずの位置に付けた伊藤だったが、この日はハザードや、根の強いラフに多く捕まりスコアを落とした。「苦しい状況でいかに楽しんでプレーができるか」。その心意気で臨んだ上がり4ホールは果敢にピンを攻めていったが、2つのボギーで万策は尽きた。
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24時間の渡航の末、日曜日に現地入り。時差ボケと昼夜の寒暖の差から、練習ラウンドでは「体が動かない」と不安要素を残しながらも、翌月曜日には主催者側からプロアマ出場のオファーを受け、これを受諾。欧州ツアーの正式メンバーではない選手が出場することは稀だが、その舞台に上がり、滞りなく“仕事”をこなした。
伊藤は今大会、アマチュア時代の2011年、12年と2度の出場経験を持つ。15才で出場した11年は、アライアンス・プロアマ形式(アマチュアは2日間をプレー)で行われ、スクラッチ競技部門で優勝。2度目の出場となった12年はストローク形式で挑み予選落ちを喫した。
今年は2年前と同じ予選落ちという結果にも、その充実度は大きく異なる。2日間のトータルスコアは前回(71-75=146)よりも2ストローク多いが、「ラッキーに頼らない、以前よりゴルフらしくなった」と胸を張る。同伴競技者が感情あらわにプレーする中、動じず淡々と、先だけを見つめ続けた。
今春、晴れて杉並学院高等学校を卒業。プロとしての自覚を背負いながら、これまで以上にゴルフに集中できる環境で迎えた新シーズンのスタートは、世界のレベルの高さを肌で感じ、自らの未熟さを知った2日間だった。「あの時(2年前)よりも自分のプレーへの妥協が減りましたね」。2年の歳月は確実に伊藤を逞しくしたようだ。(モロッコ・アガディール/糸井順子)