「犯人は俺じゃない」―“実況見分”を生かした谷原秀人の13位浮上
2016年 全米プロゴルフ選手権
期間:07/28〜07/31 場所:バルタスロールGC(ニュージャージー州)
ニュージャージーで上昇気流を捉えたカイマー
マルティン・カイマーはくつろいだ心持ちで物事にあたることが、「全米プロゴルフ選手権」での完全復調につながると確信している。
2010年の大会王者は、序盤に2つのボギーを叩き、40分の雨による中断を挟みながらも2日目に「69」をマークし、首位から4打差の通算5アンダーでバルタスロールGCでの週末へ臨むことになった。
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カイマーは残り4ホールの時点で、この日のラウンドを2オーバーとしていたが、15番と16番で連続バーディを奪うと、最終ホールでもバーディを奪い、週末へ向け好位置をキープ。ここ数カ月の好調が今週も続いていることを印象づけた。
ドイツのカイマーは2014年の「全米オープン」以来勝利から遠ざかってはいるものの、ヨーロピアンツアーでは出場した直近の7大会で4度のトップ10入りを記録している。かつて世界ナンバーワンに上り詰めた際の勢いを取り戻すには、さらにリラックスした姿勢で臨むことが肝要であると考えているようだ。
「少し我慢することができたね」とカイマー。「無理矢理パットを入れに行くこともなかったし、ここ2、3カ月は良いプレーができているから、バーディパットが入らなくてもイライラすることはなかったよ」。
「パットが決まらなかったけれど、『もっと良いスコアで回れたはずだ。こういうスコアは出せたんだ』と考えるのはフラストレーションのもとだよね。誰もそんなこと気にしないしね。要するに、僕もそういうことは気にしない方がいいのさ」。
「ベストを尽くし、自分自身に『お前はできる限りのことはやっている』と言い聞かせることは可能だ。実際、自分にできるのはそれだけなんだ。冷静にベストを尽くし、無理をしない。それがゴルフをプレーする最善の方法だよ。それが自分にとってベストのプレーをする方法だと思う」。
31歳のカイマーは、最近のメジャー24大会でトップ10入りはわずか2度。だが、その2度のトップ10はいずれも優勝に結びつけている。今回も日曜に好位置をキープすることができれば、再び最後の一線を超えることができると確信している。
「メジャー4大会全てで優勝したいけれど、まずはメジャーでの場数を踏み続け、優勝のチャンスがある位置でプレーすることだ。それができれば、多くの経験を積むことができるからね」。
「こういうのはプランを練ったり練習したりすれば思い通りに行く、というものではないからね。メジャー制覇でどれだけの満足感が得られるか、僕は知っているんだ。とてつもなくデカイからね。僕らにとっては究極の目標だよ」。
2日目を「65」でラウンドし、カイマーと並ぶ通算5アンダーで週末を迎える米国のパトリック・リードは、2014年の「WGCキャデラック選手権」以来のヨーロピアンツアー制覇を達成するまで、そう遠くないところまで来ていると信じている。
「ここのところはいつでも何か一つの要素が欠けている気がする」とリード。「昨日はアイアンがすばらしく、パットも結構良かったのだけど、ドライバーがからきしだった」。
「だから、今日はドライバーを古い方に戻してコースへ出たんだ。これが奏功したね。ただ、決めるべきショートパットはいくつか外してしまった」。
「ツアーでトップ10と優勝を分けるのは、フェアウェイをキープし、グリーンを捉え、五分五分のパットを残す時に、正しい方へ乗せることができるかどうかの差なんだ。昨日に関しては、確実に正しい方から五分五分のパットを打つことができたけれど、今日は五分五分以上の場所からパットすることができた」。
「今までのところ、僕らは正しい方向へ進むことができている。あとはこれをやり続けるだけさ」。