「全英」前哨戦は逃げ切りでノレンが今季初優勝
2016年 アバディーンアセットマネジメント スコットランドオープン
期間:07/07〜07/10 場所:キャッスル・スチュワートゴルフリンクス(スコットランド)
ノレンがキャッスル・スチュワートの玉座に
アレックス・ノレンがキャッスル・スチュワートゴルフリンクスで前日からのリードを守り切り、「アバディーンアセットマネジメントスコットランドオープン」を制してヨーロピアンツアー5勝目を挙げた。
これまでの4勝はいずれも54ホール終了時点で首位に立ち、そのままリードを守り切ってのものだったが、今回もその記録を伸ばす形で、一時は後続に追いつかれながらも、首位の座を明け渡すことはなく、ハイランドでの劇的な最終日を制した。
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最終日を2アンダーの「70」でラウンドしたスウェーデンのノレンは通算14アンダーとし、ティレル・ハットンに1打差をつけて優勝。首位からの2打差の3位タイにはニコラス・コルサーツ、ダニー・リー、そしてマッテオ・マナッセロが入った。
コルサーツ、ハットン、マナッセロ、そして地元スコットランドのリッチー・ラムゼイは、今大会でトップ12入りを果たしたことにより、来週ロイヤルトゥルーンで開催される「全英オープン」の出場権を手にした。
2015年に「ノルデアマスターズ」を制しているノレンにとって、2年連続のツアー優勝はキャリア初の躍進となり、2014年シーズンの大半を棒に振った手首のケガからの復活以来遂げている目覚ましいカムバックをここでも見せつける格好となった。
「とてもタフなリーダーボードだったので、終わってすごく嬉しいよ」とノレン。「通算11、12、13アンダーに多くの選手がいて、余裕を持って優勝できたわけじゃなかったからね」。
「今朝、この勝利の持つ意味について考えていたのだけど、実際に勝ってみると、途方もない感じで、信じられない心持ちがする」。
「これは、これまでで最も大きな勝利だね。有力選手の数や、こうしたスコットランドのコースでということを考えるとね。子供の頃はこういう勝利は夢でしかなかったから」。
「とにかく楽しみたいね。ゴルフがどれほどタフであるか知っているだけに、勝つことができてとても嬉しいし、来週はまた新しい週が始まるから、何が起こるのか楽しみだよ」。
ヨーロピアンツアー初優勝はならなかったイングランドのハットンだったが、これは、今季13大会で予選落ちはわずかに2試合と好調を維持する彼にとってのシーズンベストとなった。
ハットンの同胞のアンディ・サリバンはラムゼイと並ぶ通算11アンダーで大会を終え、その1打後方の8位タイにはスペインのホルヘ・カンピージョと、今週のベストスコアに並ぶ「65」を最終日にマークしたイングランドのカラム・シンクウィンが入った。
北アイルランドのグレーム・マクドウェル、スコットランドのラッセル・ノックス、そして米国のパトリック・リードは通算9アンダーで大会を終えた。
この日、最初にリーダーボードで動きを見せたのは、1999年のコリン・モンゴメリー以来となるスコットランド人による大会制覇を狙うラムゼイだった。
4番で13メートルのバーディパットを沈めるなど、3番から4連続バーディを奪い通算10アンダーとしたラムゼイは、2番でバーディを奪ったノレンとの差を3ストロークまで縮めた。
その他の後続選手も接戦を繰り広げるなか、3番と6番でバーディを奪って通算11アンダーまでスコアを伸ばしたニュージーランドのリーがノレンにとって最大の脅威となる気配を見せた。
すると、ノレンはパー3の8番でグリーンを捉え切れず、このホールをボギーとし、リーが10番でバーディパットを沈めたことにより、2人が首位タイで並ぶ展開となった。一時は、ハットンが12番でバーディを奪ったことで首位争いは三つ巴となるが、直後に同組のノレンがバーディを奪い、1打差で再び単独首位に抜け出した。
その後、完全にノーマークだったベルギーのコルサーツが12番からイーグル、バーディ、バーディ、バーディとして急浮上し、最終ホールでも12メートルのバーディを沈めて通算12アンダーのクラブハウスターゲットを設定した。
それでも、ノレンはこの日、終始落ち着いたプレーを見せ、15番の2打目をピンそば2m弱につけてバーディを奪い、最終ホールでバーディを奪ったハットンからの逃げ切りに成功した。