アルバトロスにホールインワンも!アンとモリナリが首位
2015年 BMW PGA選手権
期間:05/21〜05/24 場所:ウェントワースC(イングランド)
アンとモリナリが一騎打ちで最終日へ
最終ホールでバーディを奪った韓国のアン・ビョンハンが首位のフランチェスコ・モリナリを捉え、「BMW PGA選手権」のリーダーボードの頂上を分けあった。ウェントワースは魅惑的な最終日のバトルを迎える展開となった。
しかし、首位争い以外にもこの日は多くのドラマが生まれ、トミー・フリートウッドがアルバトロスを決めると、ミゲル・アンヘル・ヒメネスはホールインワンを達成してヨーロピアンツアーのフラッグシップ大会を彩ってみせた。
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フリートウッドはウェントワースのウェストコース4番ホールで、残り198ヤードを7番アイアンでホールアウトし、大会史上僅か3個目のアルバトロスを記録した。
するとその直後、1月のアブダビ、そして先週の「スペインオープン」でもホールインワンを達成し、この際はビール288本を勝ち取ったヒメネスは、150ヤードの2番ホールで9番アイアンを使い、今季3度目のホールインワンを達成したのである。
モリナリは13番でこの日5つ目のバーディを奪った時点で一時的に3打差の首位に立つも、次のホールでボギーを叩き、同組のアンが15番でボギーを叩きながらも17番、18番の連続バーディで盛り返したため、両者が首位で並ぶ展開となった。
「何人か出だしから飛ばして行く選手がいて、アルバトロスやその他、大会をリードしている者にとって見たくない光景が随分とあったね」とモリナリ。彼はこの大会の勝利で「全米オープン」と「全英オープン」の出場を確定させることができる。「平静を保つことができたし、全体的には良い一日だったよ」。
「どの大会も違うものだけど、この大会での勝利はWGCの大会での勝利に匹敵すると思う。これは準メジャーの大会の一つだと思うし、勝利して自分のキャリアの1ページに記したい大会であるのは間違いないね」。
ヨーロピアンツアー初優勝を目指す23歳のアンは、見事なルーキーイヤーを送る今季、既にトップ10入りを3回記録している。
「今日は一日安定していました」とアン。「ショットは良かったのですが、幾つかミスショットもありました。このコースでは仕方ないことですね。それでも今日は全体的には素晴らしいプレーができました」。
驚くべきことに、3日目を「65」でラウンドしたフリートウッドは、パー5の12番でイーグル、17番はバーディ、そして18番をパーとして、“パーフェクトセット”を揃えることに成功。これで彼は通算11アンダーとし、首位タイのモリナリとアンから3打差につけている。
キャリア通算10個目のホールインワンを達成したヒメネスは、ヨーロピアンツアーの通算ホールインワン数でコリン・モンゴメリーを抜いて単独首位に立ち、彼はこのホールインワンの他はこの日を4バーディ、2ボギーの「68」でラウンドし、通算10アンダーとしてフリートウッドの1打後方につけている。
「あれ以上ないというプレーでしたね」とキャリア初のアルバトロスを記録した世界54位のフリートウッド。「完璧なドライブでピンまでは198ヤード。もう一つ下の番手で行こうかと考えていましたが、通常の7番アイアンのショットでピンの右2メートルちょっとのところに落ち、スピンしてそのまま入りました」。
「ウォッブリー(彼のキャディのフィル・モーベイ)はとても興奮していましたね。というのも、あれは僕のクラブ選択でなく、彼のクラブ選択でしたから。あの後は興奮を落ち着かせなくてはなりませんでした。5番ではアドレナリンがちょっと出過ぎて、5番アイアンが当たり過ぎてグリーンを大きくオーバーしてしまいました」。
フリートウッドは2011年に最年少でチャレンジツアー優勝を果たし、グレンイーグルスで行われた2013年の「ジョニー・ウォーカー選手権」では三つ巴のプレーオフを制してヨーロピアンツアー初勝利を遂げている。
しかし、彼は昨季の「レース・トゥ・ドバイ」を19位で終えたにもかかわらず、3月の「WGCキャデラック選手権」を19オーバーで終えたことにより、シーズンを本格始動させる上でコーチの変更を決断した。
「ドラールではヘンリック・ステンソンとグレーム・マクドウェルと練習ラウンドを回ったのですが、彼らには敵わないと悟りました」と24歳のフリートウッド。「そう感じた時は何か行動を起こさないといけないのです」。
「ドラールはこれまで自分がプレーしたなかで最もタフなコースの一つで、あれは悪夢でしたね。コースは僕を生きたまま丸呑みにしました。ピート(コーウェン)との取り組みは素晴らしいもので、とてつもなく大きな違いが出ました」。
「ここ7、8ヶ月でトップ5やトップ3を何度も経験しました。優勝に近づきましたが、他の選手たちが僕よりも良いプレーをしただけなのです。僕には何もしようがありませんでした。優勝と2位や3位で終えるのとは紙一重の差なんです」。
「勝つことによって人々の記憶に残りたいですし、今週勝てたら最高ですね。これ以上ないというくらいに嬉しいでしょうね。これはヨーロピアンツアー最大の大会で、欧州の選手にとっては5つ目のメジャーです。本当に多くの偉大なる選手たちが優勝してきましたし、キャリアの中で一度は優勝したい大会ですね」。
ヒメネスは木曜に14番で惜しくもホールインワンを逃した際、キャリア10個目のホールインワンは「すぐにやってくるだろう」と予言していたが、果たしてその言葉通り、彼の放ったティショットはピン奥からスピンバックしてホールへと吸い込まれた。
「今年は、特にここ数ヶ月は、とても実りの多いシーズンとなっている」と51歳のヒメネス。彼は「プレーヤーズ選手権」のあの有名なソーグラスの17番で最後にホールインワンを達成した選手でもある。
「正しい距離感、正しいクラブ、そして良いショットを打つ。これがホールインワンを達成するための材料だ。記録達成は良いものだよ」。