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ヨーロピアンツアー最多勝アイルランド人選手は?
2020/03/19 07:11
セントパトリックデー(編注:3月17日、アイルランド発祥)に敬意を表し、今回はヨーロピアンツアーで最も多く勝利したアイルランド人選手について、掘り下げてみることにする。
1972年のツアー発足以来、これまでアイルランドと北アイルランドを合わせ22人の選手たちがヨーロピアンツアーで勝利している。
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直近の勝者は、2020年「サウジインターナショナル」を制覇し、2014年以来の勝利を挙げたグレーム・マクドウェルである。この勝利でヨーロピアンツアー11勝とし、現在、アイルランド人選手の歴代勝利数ランキングで4位につけている。
では、そうそうたる顔ぶれが並ぶ王者たちのリストを開陳しよう。
パドレイグ・ハリントン
2020年「ライダーカップ」欧州代表キャプテンは、1995年にプロへ転向し、これまでの25年に及ぶキャリアでメジャー3勝を含むヨーロピアンツアー15勝を挙げてきた。
パドレイグ・ハリントンはツアー出場わずか10戦目にして1996年「プジョースペインオープン」を制覇し、早々にヨーロピアンツアーでインパクトを残した。最終日に2ラウンドをプレーした彼は、2位に入ったゴードン・ブランドJr.に4打差をつけて勝利した。
若きアイルランド人選手は6度出場した「ライダーカップ」デビューを1999年に果たすと、2000年には「BBVAオープン」と「ブラジルサンパウロ500年オープン」を制覇し、世紀の変わり目に次の2勝を挙げてツアー勝利数を3に伸ばした。
ハリントンはその後、2001年「ボルボマスターズアンダルシア」、2002年「ダンヒルリンクス選手権」、2003年「ドイツバンク-SAPオープン」、2003年「BMWアジアンオープン」、2004年「オメガ香港オープン」、2004年「リンデドイツマスターズ」、2006年「アルフレッド・ダンヒルリンクス」、そして2007年「アイルランドオープン」と順調に勝ち星を伸ばして行く。
自身のキャリアにおいて最も重要な年となった2007年に、ハリントンはカーヌスティで開催された「全英オープン」で、セルヒオ・ガルシアとのプレーオフの末にメジャー初制覇を果たすと、世界ランキングを自己最高位の3位まで押し上げた。翌年、ロイヤルバークデールで「全英オープン」連覇を達成したハリントンは、オークランドヒルズCCで開催された同年の「全米プロゴルフ選手権」も制覇し、メジャー3勝目を挙げた。
直近のツアー制覇は、2016年「ポルトガルマスターズ」での勝利となっている。
ロリー・マキロイ
現世界ナンバーワンにしてメジャー4勝のロリー・マキロイは、これまでプロとして通算27勝を挙げており、これにはヨーロピアンツアーでの14勝が含まれる。
16歳でツアー初出場を果たした北アイルランド人選手は、ハリントンが制覇した2007年の「全英オープン」でローアマとなり、その年の9月にプロへ転向した。彼はツアー出場37試合目だった2009年「ドバイデザートクラシック」でジャスティン・ローズに1打差をつけて勝利し、ヨーロピアンツアー初優勝を遂げた。米PGAツアー初制覇を果たした2010年に、これまで5回出場している「ライダーカップ」デビューを果たした。
ゴルフ界の頂点へ向けたマキロイの快進撃はその後も続き、ヨーロピアンツアーでの次なる2勝は、8打差でメジャー初制覇を遂げたコングレッショナルCCでの2011年「全米オープン」、そしてキアワアイランドGRでの2012年「全米プロゴルフ選手権」と、いずれもメジャーでの勝利となった。2012年5月に初めて世界ナンバーワンに上り詰め、同年のヨーロピアンツアー最終戦である「DPワールドツアー選手権」を制覇し、「レース・トゥ・ドバイ」王者としてその年を終えた。
2014年にも驚異的なペースで勝ち星を伸ばしたマキロイは、「全英オープン」と「全米プロゴルフ選手権」を制覇し、メジャーの勝利数を4に伸ばすと、「WGCブリヂストン招待」と「BMW PGA選手権」も制覇した。以降は、2015年「WGCキャデラックマッチプレー」、2015年「DPワールドツアー選手権」、2016年「ドバイデューティーフリーアイルランドオープン」、そして2019年「WGC HSBCチャンピオンズ」でヨーロピアンツアーのタイトルを獲得している。
ダレン・クラーク
ダレン・クラークの栄光の経歴には、2011年「全英オープン」制覇を含むヨーロピアンツアー14勝、公式世界ゴルフランキング最高8位、そして2016年「ライダーカップ」欧州代表キャプテンといった偉業が記されている。
1991年に初めてヨーロピアンツアーでフルシーズンをプレーしたクラークだが、初優勝はロイヤルゾートGCでサー・ニック・ファルドとビジェイ・シンに2打差をつけて勝利した1993年の「アルフレッド・ダンヒルオープン」まで待たなければならなかった。
この印象的な勝利の後、1996年「リンデドイツマスターズ」、1998年「ベンソン・アンド・ヘッジスインターナショナルオープン」、1998年「ボルボマスターズ」、そして1999年「コンパスグループイングランドオープン」を制覇し、新たなミレニアムを迎える。
クラークは世界ゴルフ選手権でキャリア通算2勝を挙げており、2000年の「WGCアンダーソンコンサルティングマッチプレー」ではタイガー・ウッズを4&3で撃破して大会を制覇したほか、2003年「WGC NEC招待」ではジョナサン・ケイに4打差をつけて勝利した。さらに、2000年「コンパスグループイングランドオープン」、2001年「スマーフィットヨーロピアンオープン」、2002年「コンパスイングランドオープン」、2008年「BMWアジアンオープン」、2008年「KLMオープン」、そして2011年「イベルドローラオープン」でツアー制覇を果たしている。
2011年「全英オープン」での感動的な勝利は、42歳にして20回目の挑戦でのクラレットジャグ獲得であり、勝利を子供たちと亡き妻、ヘザーへ捧げたことで、今後も語り継がれることになるだろう。なお、これが彼による最後のヨーロピアンツアー制覇となっている。
グレーム・マクドウェル
最近のアイルランド人王者であるグレーム・マクドウェルは、プロとしてワールドワイド16勝(うちヨーロピアンツアーは11勝)を挙げており、「ライダーカップ」に4回出場し、公式世界ゴルフランキングの最高位を4位としている。
2002年にプロへ転向。ヨーロピアンツアー出場わずか4戦目だった「ボルボスカンジナビアマスターズ」でトレバー・イメルマンに1打差をつけて勝利し、瞬く間に頭角を現した。彼はプレーオフでトーマス・レベを下した2004年「テレコムイタリアオープン」でツアー2勝目を挙げると、その4年後にはジーブ・ミルカ・シンをプレーオフで下した2008年「バランタイン選手権」、そして2打差で勝利した2008年「バークレイズスコットランドオープン」を制覇し、ツアー勝利数を4に伸ばした。
マクドウェルによる最も思い出深い勝利は、ペブルビーチで開催された2010年「全米オープン」制覇であり、最終日を「74」でラウンドし、フランスのグレゴリー・アブレに1打差をつけて勝利したマクドウェルは、欧州出身選手として40年ぶりの「全米オープン」制覇を果たした。
その後、「ケルティックマナーウェールズオープン」と「アンダルシアマスターズ」を制覇すると、2013年「ボルボ世界マッチプレー」では決勝でトンチャイ・ジェイディーを撃破して優勝し、「フランスオープン」では2013年と2014年に大会連覇を遂げた。
マクドウェルは2020年「サウジインターナショナル」で、5年間に及ぶ無勝利期間に終止符をうち、ヨーロピアンツアー11勝目を挙げると、公式世界ゴルフランキングでトップ50圏内へ再浮上した。
ヨーロピアンツアー10勝未満のアイルランド人選手
デス・スミス (8勝): 2001年「マデイラアイランドオープン」、1993年「マドリードオープン」、1988年「BNPジャージーオープン」、1983年「サンヨーオープン」、1981年「コーラルクラシック」、1980「ニューカッスルブラウン900オープン」、1980年「コールドシールドグレーターマンチェスターオープン」、1979年「サンアライアンスマッチプレー選手権」
ロナン・ラフェティ (7勝): 1993年「ホーヘブラックオーストリアオープン」、1992年「ポルトガルオープン」、1990年「PLMオープン」、1990年「エベルヨーロピアンマスターズスイスオープン」、1989年「ランチアイタリアオープン」、1989年「スカンジナビアエンタープライズオープン」、1989年「ボルボマスターズ」
シェーン・ローリー (5勝): 2009年「3アイルランドオープン」、2012年「ポルトガルマスターズ」、2015年「WGCブリヂストン招待」、2019年「アブダビHSBC選手権」、2019年「全英オープン」
マイケル・ホーイ (5勝): 2013年「M2Mロシアオープン」、2012年「ハッサンIIトロフィー」、2011年「アルフレッド・ダンヒルリンクス選手権」、2011年「マデイラアイランドオープン」、2009年「エストリルポルトガルオープン」
デビッド・フェハティ (5勝): 1992年「イベリアマドリードオープン」、1991年「クレジットリヨンカンヌオープン」、1989年「BMWインターナショナルオープン」、1986年「イタリアオープン」、1986年「ベルスコットランドオープン」
ポール・マッギンリー (4勝): 2005年「ボルボマスターズ」、2001年「ケルティックマナーリゾートウェールズオープン」、1997「オキプロアマ」、1996年「ホーヘブラックオープン」
クリスティ・オコナーJr. (4勝): 1992年「ダンヒルブリティッシュマスターズ」、1989年「ジャージーヨーロピアン航空オープン」、1975年「マルティーニインターナショナルwithイアン・スタンレー」、1975年「キャロルアイルランドオープン」
イーモン・ダーシー (4勝): 1990年「エミレーツ航空デザートクラシック」、1987年「ボルボベルギーオープン」、1983年ベンソン・アンド・ヘッジススペインオープン」、1977年「グレーターマンチェスターオープン」
エディ・ポランド (4勝): 1980年「ベンソン・アンド・ヘッジススペインオープン」、1976年「スペインオープン」、1975年「サンアライアンスマッチプレー選手権」、1973年「ペンフォールドボーンマストーナメント」
フィリップ・ウォルトン (3勝): 1995年「カタロニアオープン」、1995年「マーフィーズイングランドオープン」、 1990年「プジョーフランスオープン」
ジョン・オレーリー (2勝): 1982年「キャロルアイルランドオープン」、1976年「グレーターマンチェスターオープン」
ヨーロピアンツアー1勝のアイルランド人選手
ポール・ダン (2017年「ブリティッシュマスターズ」)
サイモン・ソーントン (2013年「ナジェティホテルゴルフオープン」)
ピーター・ローリー (2008年「スペインオープン」)
ダミアン・マクグラン (2008年「ボルボ中国オープン」)
リアム・ヒギンズ (1977年「ケリーゴールドインターナショナル」)
パディ・マッグーリク (1973年「キャロルズインターナショナル」)
ジミー・キンセラ (1972年「マドリードオープン」)