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小林至博士のゴルフ余聞

サッカーとゴルフの「新リーグ構想」類似点

2021/01/27 16:10

国際サッカー連盟(FIFA)が先日、欧州有力クラブのみによる国際リーグ戦を新設しようという「欧州スーパーリーグ構想」に反対する声明を発表した。この報道を受け、そういえばプロゴルフの“あの件”はどうなったのだろう、と思い出した。

あの件とは、昨年初め、「ワールドゴルフグループ(WGG)」というイギリスに拠点を置く組織が公表した「プレミアゴルフリーグ(PGL)構想」のこと。48人の選りすぐりの選手が、1大会当たり賞金総額1000万ドルを懸け、世界各地を転戦して18試合を行い、個人・団体での年間王者の座を争うというものだ。

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トップ中のトップが競う新リーグというコンセプトも含め、欧州サッカーの企画に類似点がみられる。たとえば、サッカーではFIFA、ゴルフでは米PGAツアーという既存の権威団体から、“参加した選手は破門だよ”と脅かされている。

この手の新リーグ構想が、忘れた頃に世を賑わせるところもよく似ている。サッカー界では、2000年に、欧州有力クラブがG14という圧力団体を結成して、新リーグ構想を明らかにしていた。ゴルフ界では、1994年にグレッグ・ノーマンがぶちあげたワールドゴルフツアー構想が有名である。

他のスポーツでも業界の再編や新リーグの話は少なからずあるが、スポーツに限らず、業界の構造を変えるような再編話は苦境、つまり金欠のなかで生じるのが通例である。日本の男子バスケットボールがBリーグに統合されたのも、プロ野球再編(合併、売却、新規参入と怒涛のごとく球界が揺れた=2004年)もそうだ。

しかし、サッカーもゴルフもそういう状況にはなく、この四半世紀で欧州トップリーグの売上総額は19億ユーロから170億ユーロと9倍に、米PGAツアーの賞金総額は6200万ドルから4億ドルと6倍以上になるなどウハウハだ。にもかかわらず、新リーグ構想が周期的に勃発するのは、他のスポーツに比べて選択肢が複数あるからかもしれない。

サッカーの場合、FIFAが国際統括団体として君臨しているが、選手の報酬を負担しているのも、日常的な興行も各クラブであり、クラブ同士の国際交流も盛んである。新たな切り口の試合やリーグを創生する動機に満ちあふれている。

ゴルフの場合は、米PGAツアーが圧倒的な経済力とステータスを保持しているが、欧州ツアーもそれなりに元気だし、隣接する中東のオイルマネーもある。また、4大メジャーの主催団体はそれぞれ独立している。訴求力の高いスターにとってはよりどりみどりだ。

いずれも興行がうまくいっている限りにおいて、今後も、こうした構想は散発するだろう。決して悪いことではない。そのたびに既存リーグは対抗策として、諸条件を見直し、魅力を高めてきた。資本主義経済の原則のひとつ、競争原理による見えざる手が働いたのである。ついでにいえば、この新リーグ構想からは、資本主義経済が立脚しているもう一つの原点、人間は際限なく欲望を追求する生き物であることも見てとれる。(小林至・桜美林大教授)

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小林至(こばやし・いたる)
1968年生まれ。江戸川大学教授を経て、2020年4月から桜美林大学(健康福祉学群)教授。92年、千葉ロッテにドラフト8位で入団。史上3人目の東大卒プロ野球選手となる。93年退団。翌年からアメリカに在住し、コロンビア大学で経営学修士号(MBA)取得。2002年から江戸川大学助教授となり、05年から14年まで福岡ソフトバンク球団取締役を兼任。「パシフィックリーグマーケティング」の立ち上げなどに尽力。近著に『スポーツの経済学』(PHP)など著書多数。

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