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小林至博士のゴルフ余聞

振り返れば堂々巡りのゴルフ/小林至博士のゴルフ余聞

2023/12/26 16:55

振り返ってみれば、今年もまた堂々巡りの一年だった。PGAツアーとLIVゴルフの合併話ではない。これも、ジョン・ラームの移籍で振り出しに戻ったような、堂々巡りの感はあるが、この話題については年明けにでも取り上げたい。本年最後の稿で取り上げたいのは、ぐっとミクロな、自身のゴルフの堂々巡りについて、である。

まず、現在地からいくと、GDOハンデは11.8、JGAハンデは9.0。JGAは直近10ラウンドのうち、スコアが良い5ラウンドを元に計算されており、GDOのほうが実力値に近いだろう。実際、今年の平均スコアは「85.4」で、社会的通念の“シングルさん”とはだいぶ乖離がある。

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ラウンド数は30。70台が3回、80台が22回、90台が5回、100超えはなかった。昨年は23ラウンドで平均「86.9」、一昨年は36ラウンドで「88.6」。着実に上達しているようにみえるかもしれないが、そうではない。コロナ禍前はおおむね月1ペースだったが、平均スコアはいまと変わらない。たとえば、2019年はラウンド数16、平均スコアは「85.3」だった。

ゴルフ歴は30年になる。始めたのは千葉ロッテマリーンズをクビになった1993年オフ。近所の練習場での試打会でヘッドスピード55m/sと測定され、「さすが元プロ野球選手」なんておだてられたのがきっかけだ。

翌年渡米してからはさらにのめりこみ、大学院修了後はフロリダ州オーランドのゴルフ専門局(ゴルフチャンネル)に就職した。年間150ラウンドした1997年には、USGAハンデ2.7に到達し、レッスンプロを夢見た記憶もあるが、上昇気流はそこまでだった。以降、とにかく安定しない。

ドライバーからショートアイアンに至るまで、フルショットはチーピンが悩みの種だ。それを怖がるとすっぽ抜け。アプローチもひどい。先日もパー5で、2オン逃しの30ヤードをザックリからのホームランOB、結局ダブルパーの「10点」という“事件”があった。練習場でつかんだはずの打法が不発に終わった後の、あのガッカリ感は言葉では言い表せない。

なぜこうなったのか。強いて言えば転機は、2001年に帰国して月1ゴルファーになったことだが、今に至るまで割と練習はしていて、おそらく平均すると週1回は練習場で打っている。飛距離は疑いなく、年々落ちているが、それ自体がスコアに影響しているようには思えない。課題は再現性に乏しいこと、これに尽きる。

野球でいえば、ノーコンがなおらない投手のようなものだが、私は、スピードこそ出ないが制球力はまあまあの投手だった。キャッチボールをする機会は、年に数回あるかどうかだが、今でもストライクを投げるのにそれほど苦労はしない。

ゴルフが難しいのか、私のやり方が間違っているのか。来年も模索は続く。皆様にとって新しい年が幸多き一年となりますように。そして、ゴルフがもたらす喜びがいつもあなたの傍にありますように。(小林至・桜美林大学教授)

小林至(こばやし・いたる)
1968年生まれ。江戸川大学教授を経て、2020年4月から桜美林大学(健康福祉学群)教授。92年、千葉ロッテにドラフト8位で入団。史上3人目の東大卒プロ野球選手となる。93年退団。翌年からアメリカに在住し、コロンビア大学で経営学修士号(MBA)取得。2002年から江戸川大学助教授となり、05年から14年まで福岡ソフトバンク球団取締役を兼任。「パシフィックリーグマーケティング」の立ち上げなどに尽力。近著に『スポーツの経済学』(PHP)など著書多数。

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