いよいよ始まるアンカリング禁止 中・長尺パターで勝った選手たちは?
アンカリング禁止 セーフとアウトの境界は?
2016年1月1日から禁止されるアンカリング。果たしてどこまでがセーフで、どこからがアウトなのか。その境界線は、どこにあるのだろうか?
ゴルフ規則にはすでにアンカリングに関する項目「14-1 b」があり、次のように明文化されている。
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14-1 b クラブのアンカリング
ストロークを行うとき、「直接的」あるいは「アンカーポイント」を用いることによって、プレーヤーはクラブをアンカーしてはならない。
つまり、アンカーポイント(支点)を作るストロークを禁じる内容だ。典型的な例は、中尺パターのグリップエンドをお腹に当てる、または長尺パターのグリップエンドを胸部に当てて支点としてストロークをする打ち方だろう。これらは当然、禁止の対象となる。
では中・長尺パターを使えなくなるかといえば、そうではない。この規制は支点を作るストロークを禁じたものであり、クラブ自体の使用を禁止するわけではない。アンカリングさえしなければ、16年以降も中・長尺パターの継続使用は可能だ。それぞれ中・長尺パターを愛用してきた大江香織や市原弘大、横田真一らは、グリップを体から離しての継続使用を示唆している。
また「プレーヤーがクラブや、クラブを握っている手をどちらかの手や前腕に接触させること」は禁じていない。最近の例でいえば、片山晋呉が行っているグリップを左腕に密着させて打つストロークはセーフ。ただし、規則で言う前腕は「肘から手首までの部分」と定義されており、グリップを肘よりも上に密着させた場合は規制の対象となる。
グリップを体に直接付ける以外に「間接的に」アンカーポイントを作ることも禁じている。例えば、アドレス時に深く前傾をとり、パターを持つ前腕を太ももに強く押し付けるなどして支点を作った場合。長尺パターの例でいうと、前腕部を胸部に強く押し当てて支点とするストロークも禁じられる。
抵触した場合、マッチプレーでは当該ホールの負け、ストロークプレーでは2罰打が科される。アンカーポイントの有無は目視だけでは判断が難しいケースも予想され、選手が意図していなくても処罰の対象とされるケースもあるかもしれない。