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キャロウェイC4ドライバーは第二のビッグバーサになるのか?
チタンドライバー全盛の時代にあって、キャロウェイのC4ドライバーは静かなる暗殺者とでも言うべきか。ハイピッチの金属音を盛大に轟かせるドライバーばかりの中で異色を放っている。C4のグラファイト製ヘッドはおおかたのドライバーよりも10~15グラムは軽量で、打球音は時代を逆戻りしたかのように控えめである。しかし、その打球音、もしくは打球音の欠如が、2002年のゴルファーに受け入れられるのかどうかが大きな問題である。最近のゴルファーはチタン製ドライバーの「バキン!」とか「カキン!」といった打球音に慣れているので、音がしないというのはどうもなじめないようだ。C4の売り上げが伸びない理由はそこにありそうである。「打球音が違うというのは大きな壁になっていますね」と、ある販売店のスタッフは言う。物理的にはヘッドが軽ければヘッドスピードは速くできるので、C4のコンセプト自体は素晴らしいのだが、予想したほど評判がよくないという。
かつて、あのビッグバーサでドライバーの打球音の常識を変えたキャロウェイが、今回は打球音で伸び悩んでいるというのも興味深い。「純粋にクラブの性能を追求したいというプレイヤーならC4を買うのだろうが、ミスショットのような音がすると感じているプレイヤーが、残念ながら多すぎるのですよ」と先の販売店スタッフ。では、ドライバーの打球音とはどうあるべきなのか。キャロウェイの商品管理担当上級副社長のジェフ・グッドマン(Geoff Goodman)は言う。
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「C4の打球音については我々もずいぶん時間をかけてきました。技術者にも加わってもらって、心地よい音になるように検討しました。結局、打球音のことをあれこれ心配するよりも、ヘッドがミスを許容する度合いとか、ボールの打ち出されるときの条件とか、飛距離といったことを売り物にしようということになったのです。
「リスクは承知していますが、このことはいろいろな意味で、我々が90年代の初めにビッグバーサを世に送り出したときと似ています。ビッグバーサは形は違うし音は違うし、当時はみんな奇妙なドライバーだと感じたのです。しかし、我々はエリー・キャロウェイ氏のリーダーシップのもとで進んでそのリスクを受け入れ、優れた製品であることを訴えていったのです。C4についても我々は同じことを感じています」
ゴルフ愛好家のみならずクラブデザイナーまでもが認めているところだが、打球音と性能を両立させていると評価されるのはタイトリスト975シリーズである。975Dを皮切りにタイトリストは濁りがなくパワフルで、それでいて大げさに甲高いわけではない打球音をもつ製品を出してきた。一方、キャロウェイのC4の打球音はいわばレトロな音だ。オレゴン州ウェイバリーCCのヘッドプロ、ジョン・ウェリスのように「私は好きですね。パーシモンを思い出させます」という意見もあるが。
ところで打球音はさておき、C4スペックは独特である。ヘッドサイズは360ccで、当初は女性やヘッドスピードが26~31m/sくらいの男性向けにデザインされたものだった。そのため、ヘッドの重さを平均より10オンス減らして283グラムにすることが目指された。しかし、できあがってみると上級者も恩恵を受けることがわかった。LPGAツアー今季最初のメジャーであるナビスコ選手権の際、アニカ・ソレンスタムとリサロッテ・ノイマンがC4を使って1位、2位に入った。イェスパー・パーネビックやポール・ローリーといった欧米のツアープロたちもC4に替えている。
C4はキャロウェイのVFTシリーズのドライバーよりもバックスピンが多い。このことは少ないスピン量で打ち出すことのできるパーネヴィックのようなトッププレイヤーにとっては好都合だ。
また、一般ゴルファーにもアドバンテージとなることがある。高いボールの打てないプレイヤーには願ってもないし、VFTよりロフトの小さいモデルをC4では選択できる。ただ、スピン量が増えればまっすぐ飛ばすことが少しは易しくなるわけだが、その分、弾道を思い通りに操るには扱いにくい。「私は、まっすぐ飛ばすことはいいことだったと思うけどなあ」とパーネビックはからかうように言っていた。
飛距離はどうだろうか。軽さのためにすべてのプレーヤーがヘッドスピードを増加させることができる。しかし飛距離にはヘッドスピードに加えて、バックスピンの量と打ち出しの角度が影響する。飛距離を伸ばせるプレーヤーもいれば、それほど変わらない者もいるだろう。だから、各メーカーともさまざまなモデルのドライバーをつくっているわけだが、ともかくC4に関しては購入前に試打することをお勧めする。
かつて、ヨネックスが90年代の初めにグラファイト製ヘッドのドライバーを発売して人気を博したが、キャロウェイのC4はさらに軽量になっていることに加えて、ヘッド内部にウレタンとタングステンによる帯状のウエイトが装着され、重量配分も改善されている。推奨価格は499ドルだが、店頭では429ドル(約5万3,000円)程度である。ロフトは8度から12度で1度刻み。14度のモデルもある。長さは標準で45.5インチ。グリップ交換の際はキャロウェイ純正グリップ(35グラム)にしたほうがいい。市販の50グラムのグリップでは大幅にスイングウエイトが変わってしまう。
By James Achenbach(GW)