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「2時間で終わる、これまでにないゴルフ」 新リーグTGLはなぜ生まれるのか?

ゴルフと聞いて、世間の人が思い浮かべるイメージは何だろうか? 「紳士のスポーツ」、「自然が豊か」といったものはもちろんだが、一方で「おじさんのスポーツ」「時間と金がかかる」といった、少々ネガティブなイメージを持つ人も一定数いると思われる。ではもし、そんなステレオタイプを一新するシステムが生まれるとすれば、人々の意見はどのように変化するだろう? 新リーグ「TGL」が実現しようとしているのは、まさにそのようなことだ。

スクラムスタジオ株式会社が主催する「SPORTS INNOVATION STUDIO デモデイ&SCRUM CONNECT 2024」が2月29日(木)に都内で開催された。スポーツ分野における最新テクノロジーについてのセッションには、タイガー・ウッズロリー・マキロイ(北アイルランド)による共同会社「TMRWスポーツ(トゥモロー・スポーツ)」から、副社長のジョーイ・ブレンダー氏が出席。会場施設の損傷等から開幕が1年延期され、2025年にスタートする新リーグについて語った。

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TGLはリアルとバーチャルを組み合わせて行われる新時代のゴルフリーグ。選手たちは、長いショットはシミュレーターの巨大スクリーンに向けて打ち、50yd以内のショートゲームは現実のグリーン上でプレーする。ウッズ、マキロイをはじめPGAツアーから現時点で24選手の出場が発表されており、6チームに分かれて争う。

革新的な新リーグはなぜ生まれるのか? 背景には、人々のメディア全般に対する姿勢の変化があったとブレンダー氏は話す。「スポーツ中継のニーズが高まっている一方で、若い世代を中心に、近年は人が1つのコンテンツに割ける時間はどんどん短くなっている。いまのゴルフは1ラウンドに4、5時間かかり、選手たちがプレーするのは人々が外に出ていることの多い昼間。私たちは時代に合った、スピード感のある短いフォーマットを作る必要があった」

TGLは2チームによる対戦形式で、2つのセッションに分かれた「モダンマッチプレー」を採用する。セッション1では9ホールをオルタネート方式で行い、セッション2は6ホールのシングル戦。各ホールのポイントで勝負が決まり、終了までに2時間しかかからないという。また、ツアー競技のない月曜日のプライムタイムに開催されるため、人々の多くは家でくつろぎながら観戦できるだろう。

「TGLは長い歴史のあるゴルフのシステムを補完し、アップデートする」とブレンダー氏はうなずく。「リアルを上回り、淘汰するというのではない。多様化するニーズにあったエンターテインメントを作り、これまでにない体験を提供することで、新たなファンを創造する。そうして業界全体を盛り上げていきたいと考えている」

世界最古のゴルフトーナメントが1860年に開催されてから160年あまり。テクノロジーの発達により可能となった新リーグは、保守的といわれてきたゴルフエンターテインメントを大きく前進させるかもしれない。現時点でトーナメントを日本で開催する予定はないようだが、中継を国内で見られるよう進めているとのこと。ゴルフファンの皆さま、首を長くして続報を待ちましょう。(編集部・合田拓斗)

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