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タイガー・ウッズが4試合連続でトップ10入りを逃した

第130回全英オープンが始まる2日前、スコットランドにあるセント・アンドリュース、R&Aセクレタリーのピーター・ドーソン氏は、ロイヤル・リザムに集まったタイガー・ウッズの関係者に対して、早急に答えを必要とする問いかけをした。ドーソンの質問は単純明快:「クラレット・ジャグはどこ?」。
なるほど、全英オープンのディフェンディング・チャンピオンであるタイガー・ウッズは、もう1、2年は輝かしい勝利の勲章を手放すまいと思ったのかもしれない。しかし7月23日、歴史深いジャグが再び太平洋を渡った時、それはウッズの親しい友人であるデビッド・デュバルの手の中にあった。

ウッズがロイヤル・リザムでお粗末なスウィングを打ち終えたとき、すでに24人ものプレイヤーがウッズを上回るスコアを決めていた。ウッズはリザムが叩きつけてきた困難なテストを楽しんだという。ただ、いつもの調子が出ずにテストは赤点、1アンダーの283で25位タイに終わった。このスコアは、1996年にアマチュアとしてリザムに出場した時のスコア、281より2打も多い。
「毎週良いプレイが出来るとは限りません」そう語るウッズは、スイングを修正した1997年以来初めて、4試合連続でトップ10入りを逃している。
「今週は、今の自分の最高を搾り出したつもりです。週末はスコアも良かった。チッピングとパッティングが好調で助かった、でなければ一体どうなっていたことか・・・」

しかし、そこそこの成績に惑わされてはいけない。ウッズは最終日、トップから5打差でスタートした。最終組より3時間も早くティーオフしながらも、他のプレイヤーが追いかけねばならない低いスコアを出すであろうプレイヤーの候補としては、まだトップだった。まるで、3年前のロイヤル・バークデールで、プレイオフまで1打差に迫ったときのように。少なくとも、計画ではそうなるはずだった。
ウッズは1番ホールで3パットしボギーとしたが、その後4番、5番、6番ホールで連続バーディ。前日、茂みに打ち込んでダブルボギーとなった557ヤード、パー5の7番では、第2打で9番アイアンを手に持ち、エンジンがかかってきたかのように見えた。しかし、ボールは左にそれ、30フィートのパットは無残にもホールをかすめてバーディを逃した。

「今週はあのホールが致命傷となった」ウッズのコーチであるブッチ・ハーモンは、練習場付近にあるテレビで再放送を見ながらため息をついた。実際、パー5の11番でも運がなかった。4日間を通し7番と11番のふたつのパー5で、ウッズはイーブンとしたがデュバルは7アンダーをマークしている。
最終日の11番でウッズはグリーンの淵から3パット、先行きが危うくなった。12番で6打叩き、トリプルボギーとした頃には、もう勝利の可能性は抹消されていた。

最終日のトラブル以前に、3日目のバックナインでも重要な5ホールでミスが重なった。3アンダーだったウッズは、驀進するアレックス・チェイカから6打差、奇跡を起こしてやろうと意気だっているように見えた。14番ではバーディを取るかと思われたが、3パットしてボギー。唯一チャンスの残された359ヤード、パー4の16番に至っては、ドライバーを使うという賭けに出てティショットを右の観客席下に打ち込み、バーディを取るのは不可能にしてしまった。2ホール先の18番で再びドライバーを取り出し、ティショットを木立の中に叩き込んだ。アンプレイヤブルとなって、結局ボギー。プレイヤーが次々とスコアボードを赤く染めた日に、ウッズは2オーバーの73でサインした。チェイカをはじめ、その他のプレイヤーもその日の後半はスコアを落としたが、ウッズは取り返しのつかないところまで落としてしまっていた。

「私は調子が悪いとき、(スイングを)ゆっくりにするんです」ウッズの友人であり、3日目一緒にまわったマーク・オメーラは言う。
「でもウッズは調子の悪いとき、スピードアップします。私は別に批判しているわけではないですよ。ウッズの才能の10分の1でも持っていれば、と思っているのだから・・・。それは同時に、ウッズが調子の良いとき、いかに素晴らしいプレイを見せてくれるか、ということでもあるのです」
3日間に渡って、ウッズは調子を取り戻す事はなかった。しかし、それでもリーダーを脅かす存在で居続けたことは、彼のがんこな粘り強さであり、まったく見事である。3日目の夜、リザムの由緒正しいロッカールームで靴を履き替えたウッズは、トップから5打差しかないと知らされた。「素晴らしい」と彼は言った。翌日は風が強い予報か、と聞き、そうだと聞かされると、「完璧だ」と答えた。

ウッズと勝者の間には、何人ものプレイヤーの名前が並んでいるが、ステージで輝いているのはやはりウッズのように見える。伝統を作り上げるチャンスがあった。ただ、実現はしなかった。
今回はツキがなかっただけ、ということにしておこう。
By Jeff Babineau(GW)

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