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2012年 全英オープン
期間:07/19〜07/22 場所:ロイヤルリザム(イングランド)

全英オープンの作り方/競技委員・山中博史のロイヤルリザムレポート<3>

英国ロイヤルリザム&セントアンズで行われる2012年の「全英オープン」に出場を果たした日本人選手は総勢8人。しかし、そのロープの内側でプレーヤーとともに、ボールの行方に冷静に目を凝らす一人の日本人がいる。日本ゴルフツアー機構(JGTO)の山中博史専務理事。かつて、青木功のキャディを務め、ここ10年来、海外4大メジャーすべての試合で、競技委員を務めている。トーナメントにおいて、欠くことのできない存在であるレフリー。それが“世界一”を決めるビッグイベントであれば重要度は一層高くなる。今回は大会を通じ、レフリーとしての立場、そして日本ツアーの代表としての立場から、全英の戦いをレポートしていただく。(GDO編集部)

「2日目は午前10時15分にスタートしたジム・フューリック、フレドリック・ヤコブソン(スウェーデン)、そして小田孔明選手の組につき、18ホールを回りました。孔明選手はティショットでフェアウェイを捕えたのが2度しかなかった初日よりはショットが安定しましたが、2つのダブルボギーが痛かったですね。1番でいきなりバーディを決めましたが、ダブルボギーが出るとスコアメークは苦しい。予選通過が微妙だった通算3オーバーで迎えた最終18番では、やはり2オーバーにしておきたかったのでしょう。バーディを獲りに行きましたが、残念ながらボギーとしてしまいました。

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昨日、雨が降ったこともあり、この日は水が浮いたバンカーやフェアウェイも多くみられました。グリーンはまだ軟らかい状態でボールは止まりやすいコンディション。それでも、スピードが徐々に出てきたようです。

ところで、この2日目は選手たちにとって厳しいピンポジションになりました。グリーンの傾斜の途中や、段を超えたすぐのところにカップが切られたりと、苦労したプレーヤーも多かったことでしょう。さて、日々の各ホールでピンの位置を十分に把握しておくのもレフリーの仕事の一つです。全英で実際にカップを切る場所を決めるのは、大会を主催するR&Aに所属する2、3人の委員。ラウンド前日に “目星”をつけ、翌朝に気象条件等を確認して、最終決定します。

昨今の世界的な考え方としては、18ホールを通じた1ラウンドの難易度を4日間通そうというものがあります。簡単にいえば、毎日、易しいポジションが6ホール、難しいポジション6ホール、残りの6つはその中間の難度のホールを作る手が基本と言えるでしょうか。コースは天候や風向き、フェアウェイの状態などによって、日々顔を変えます。メジャーのセッティングはやはりハードなものですから、ここ2日のようにグリーンが止まりやすい状態であれば、ピン位置によって難易度を上げていきます。ただ、逆にフェアウェイからのショットのボールが戻ってしまわないようにと、選手たちはスピンコントロールにもより気を配らなくてはなりません。いずれにしても、昨日はアダム・スコット、そして今日はブラント・スネデカーが同じく6アンダーをマークしているわけですから、アンフェアな位置では決してなかったはずです。

ひとことでメジャーと言っても、それぞれ環境は違いますから、セッティングの考え方も異なってきます。毎年6月の「全米オープン」は、気温も高く、雨もよく降る季節に行われるため、ラフの生育が良く、ラフに入れるくらいならバンカーに入れた方がマシというケースもたびたびあります。また、最近ではティグラウンドを日によって動かして、ホールのバリエーションを増やすのがトレンドになっていますね。

一方で、この全英は、リンクスコースを舞台にするがゆえに、風が吹き、雨が降り、それが時間帯によって極めて不規則であるため、セッティング方法も限られてしまうのです。“自然のまま”、“あるがまま”、という精神がコースを準備する段階から流れています。

さて、決勝ラウンドを前にスネデカー、スコットのほか、タイガーやマクドウェルなど実力者が上位に名を連ねてきました。明日も天候を予想するのは難しいですが、タイガーが一時期に比べて自信を持って戦っているのが印象的です。日本人選手も武藤俊憲選手、藤本佳則選手が予選を突破しました。ぜひ頑張って、まずは一秒でも多くテレビに映るような活躍を期待します!

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