選手コメント集/日本女子オープンゴルフ選手権競技 初日
1997年 日本女子オープンゴルフ選手権競技
期間:06/26〜06/29 場所:東広野GC(兵庫)
情熱と挑戦! 岡本綾子、46歳の勝利
強い岡本綾子が復活した!と言ってもいいだろう。一昨年は勝利なし。昨年もフジサンケイの1勝のみ。海外18勝をふくめてなんと60勝をあげている世界の岡本も、もう盛りを過ぎてしまったのだろうか・・。そんなファンの心配を吹き飛ばすような、堂々たる女子オープンの優勝だった。
日本の女子ツアーではまず見られないようなタフなコースコンディション。深く粘るラフ。滑るようなグリーン。ミスを容赦しないトリッキーなグリーン回りの設定。多くの選手があっけなく、ボロボロとスコアを崩していくコースで、アヤコだけが最後まで安定したプレーを見せてくれた。
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「具玉姫が出だしでダブルボギー。本人にとっては残念でしょうけど、私にとってはすごく楽になりました」という岡本。アヤコだって内心は綱渡りの心境だったのだ。「2回目の女子オープン優勝なんて、90%以上、ありえないと思ってました」という。
「でもチャンスだから具玉姫を引き離そうなどどは考えなかった。なんというか、今まで経験したことのない気持ちです。守るというのでもなく、自分を強く戒めるというか、そういう気持ちで18ホールをプレーしました」と岡本。しかし外見は、そんな内心の揺れ動きをまったく感じさせないような、横綱相撲のラウンドに見えた。
「このコースはただ単に守ろうなんて思ったら、ズルズル行ってしまう」という。つい昨日まで安定したショットを放っていた具玉姫が、まったく別人のようなゴルフ内容で音をたてて転落していった。前日まで2位の選手が83を叩いてしまう! 実際に具玉姫が守ろうと思ったのかどうかは分からない。体調も悪かった。「今日は本当に長い1日でした」と具。ほんのちょっとしたキッカケで、たちまち地獄のようなラウンドに陥ってしまうのが、この女子オープンなのだ。
情熱と挑戦。この言葉とともに新しいアヤコがスタートしたのだという。このコースで勝てたことで、まだゴルフをやっていけるのかなという気持ちになった。若いプロに「岡本さんのゴルフは50歳からですよ」と言われたことがある。46歳はまだ若い。