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井上陽子、文句無しの開幕戦勝利

強い雨と風に悩まされた最終日。スコアを崩す選手が多い中で、踏みとどまった井上陽子が危なげなく開幕戦優勝をもぎとった。井上はこれで通算3勝目。昨年は優勝から遠ざかっていただけに、幸先よいこの勝利をキッカケにまたパワー全開で今シーズン2勝目3勝目をめざしたいところだ。

2位には昨年1位差でシードを逃がした藤井かすみ。また今年も強さ健在を示すような具玉姫。以下も中野晶、芳賀ゆきよ、服部道子不動裕理・・・とほぼツアーの核となるようなオールスターメンバーが上位に顔をそろえた。岡本綾子、塩谷育代はちょっと不本意な予選落ちだったが、こうしたベテランは心配無用。これからじっくり調整してくる。ことしのツアーは面白くなりそうな予感がする。

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それにしても井上陽子という選手、以前はたんに元気印の女子プロというイメージしかなかった。しかし不本意な米ツアーテスト挑戦、そして腰痛、未勝利という昨シーズンを経て久しぶりに見た姿は自信に満ちあふれてた。172センチの恵まれた体がいっそう大きくなっているような気がした。スウィングはいっそう歯切れが良くなり、これまでわずか2勝の選手とは思えないような落ち着きの試合運びだった。

「この天候だから、スタートの11アンダーを維持していれば勝てると思った」という読みは的中した。1番から3番までは凌いでの1パットパー。7番で初ホギー。だが11番ロングを3Wで乗せてようやくの初バーディ。すぐ12番を乗らず寄らずでボギー。しかしあとはすべてパーオンさせ2パットのパー。手堅い内容のラウンドを続けた。

怖いほどに厳しい表情が、初めてほころびたのは最後のティショットを打ち終えてからだった。「18番でようやくホッとしました。それまでは何が起きるかわからないですから。気持ちを緩めないよう、集中するよう自分に言い聞かせていました」

去年に較べるとレベルが上がったと自分でも思う。そのためのトレーニングもした。「オフの間は、とにかく勝ちたい勝ちたいという気が強かった。今日は長い長い1日でした。いい形でシーズンに入れて、ほんとにホッとしています。とにかく嬉しいです。ただそれだけです」 ニコッと笑うと人なつっこい童顔にもどる。

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1999年 ダイキンオーキッドレディスゴルフトーナメント



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