選手コメント集/全米プロゴルフ選手権最終日
2001年 全米プロゴルフ選手権
期間:08/16〜08/19 場所:アトランタ アスレチッククラブ(ジョージア州)
D.トムズが逃げ切り、P.ミケルソンは追いつけなかった
全米プロゴルフ選手権最終日はメジャーらしい我慢比べとなった。14アンダーの単独首位で最終日を迎えたD.トムズと2打差で追うP.ミケルソンのマッチレースはトムズの1打リードで最終ホールまで決着が持ち越された。
最終18番ホールはグリーン手前に大きな池が待ち受ける長いパー4。トムズはティショットをフェアウェイ右サイドのセミラフへ。対するミケルソンはフェアウェイ左サイドをキープした。「ミケルソンならピンに絡むようないいショットを打ってくるだろう」トムズはそう思うことで、自分はパーセーブするべき、と自分に言い聞かせた。トムズの位置からだと池に入る可能性もあり、手前に刻んで3打目勝負に出た。
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そして、ミケルソンはピン奥6メートルに2オン。これを見たトムズだが慌てることはなかった。最初から“自分のするべきこと”が分かっていたからだ。トムズの3打目はグリーン左サイドに行き、スピンでピン横2メートルまで戻した。
決めればプレーオフ、いや、その後トムズが外せばミケルソンの逆転優勝という大事なパットは、無情にも一転がり足りなかった。そして、トムズのパーパットは見事真ん中から入った。その瞬間のミケルソンの顔には“まさか”といった表情が溢れていた。またしても2位、他人の優勝を見事に演出してしまったのだ。
勝ったトムズはメジャー初優勝。今シーズンツアー2勝目、通算6勝目をあげた。96年までナイキツアー(現 バイコムツアー)で戦ってきたトムズは「経験が生きた!」という。
カウボーイハットに笑顔が絶えない片山晋呉も大健闘だった。10アンダー3位タイでスタートし、8番で3日連続でのバーディを奪い、12番パー5も取り13アンダーまで伸ばした。しかし、その後はボギーが3つきてしまった。最終18番では果敢に2オンに挑戦したが、惜しくも足りず池へ。だが、4打目をきっちり寄せるとギャリーの歓声に応えるパフォーマンスも披露し、ボギーパットを確実に沈めた。「伊沢さんの記録には並びたかった」という片山は4位タイでフィニッシュ、マスターズでの伊沢と同じM.カルカベッキアとタイスコアになった。
また、逆転の期待もあったD.ディバル、E.エルスは共にスコアを崩し、T.ウッズも普通のスコアでラウンドを終えた。片山の影に隠れてはいたが丸山茂樹も最終日に奮起し、2アンダーの22位まで順を上げた。