感情と、自らのゲームをコントロールするタイガー・ウッズ
2003年 全米オープン
期間:06/12〜06/15 場所:オリンピアフィールズCC(米国イリノイ州)
首位はジム・フューリック。タイガーは75を叩き、後退。
ムービングデーという言葉通り、3日目のラウンドは5位タイからスタートしたニック・プライスが首位に飛び出し、同じく5位タイからスタートしたタイガー・ウッズがスコアを落とし始めた時点で、上位陣の順位に大きな動きが出ると思われた。しかし、終わってみれば、今日67で回ったジム・フューリックが通算10アンダーで首位の座をキープしており、オーストラリアのスティーブン・リーニーが7アンダーで単独2位、ニック・プライスとビジェイ・シンが5アンダーで3位タイ。上位陣の顔ぶれ自体は昨日とほとんど変わっていない。
「明日も今日と同じように集中し、同じようにプレーし、同じクラブでティショットを打ち、同じようにパットを決めたい」と語ったフューリックは、フィル・ミケルソン同様、メジャー優勝のないグッドプレーヤーと呼ばれて久しい。8の字スウィングで全米オープンを制覇することができるかどうか。メジャー初タイトル獲得を目指して、フューリックは明日の最終ラウンドに挑む。
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今日が本当の意味でムービングデーになったのはタイガー・ウッズだ。出だしからスウィングの途中に雑音に邪魔され、嫌なムードで発進したタイガーは5番と9番でボギー。後半も1バーディ4ボギーと崩れ、今日75、通算1オーバーで24位タイまで後退してしまった。
「1番の雑音は、バックスウィングの途中だったらスウィングをやめることができたけど、ダウンスウィングに入っていたから止められなかった。でも、今日は僕のプレーそのものが、そんなに悪かったわけじゃない。グリーンはかなり乾いてきていて、歩いたときも固く感じた。だから速そうに見えたんだけど、スピードは昨日までより遅かった」
グリーンにてこずり続けたタイガーは、すでにトップと11打差。最終日の大逆転の可能性は限りなくゼロに近い。
田中秀道は2連続バーディで好発進したが、8番でティショットをクリークに入れ、痛恨のダブルボギー。続く9番でもティショットを右に曲げ、ボギー。しかし、後半は崩れることなくすべてパーでしのぎ、今日71、通算1オーバー24位タイで最終日を迎える。
「流れ的には辛い状態で後半に入りましたけど、目の前のショットに集中して、なんとか後半をプレーできたので、よかった。グリーンは思ったより乾いてきていますけど、明日も昨日、おとといと同じようにリズムを保ってがんばります」
田中は日本勢で唯一、決勝進出を果たした選手だけに、最終日は1打でもスコアを伸ばし、順位を上げてほしい。