ニュース

アマ・その他の最新ゴルフニュースをお届け

日本ゴルフのリオ五輪出場枠はいくつか? 18歳・森田遥の動向にも注目

112年ぶりにゴルフがオリンピック正式種目として復活する2016年8月5日開幕のリオデジャネイロ五輪の出場選手決定(16年7月11日)まで、ちょうど500日となった。国際ゴルフ連盟(IGF)が発表しているオリンピックゴルフランキング(2月23日付)によると、現在、男子は松山英樹(12位)と小田孔明(29位)の2人、女子は大山志保(24位)と横峯さくら(27位)の2人が日本代表の資格対象。日本は各国最大男女各4人までの出場枠を、フルに獲得できる条件は満たせず、そのハードルも非常に高い現状がある。

同じ個人競技ながら、選考大会を経て各競技団体が代表選手を決定する柔道や陸上とは異なり、ゴルフのオリンピックの出場資格は、男女とも以前から運用されている世界ランキングをベースにしたオリンピックランキングで決まる。すでに14年7月14日から稼働しており、選考レースはスタートしている。

<< 下に続く >>

男女それぞれ、16年7月11日時点のオリンピックランキングの上位60人が出場権を獲得する。オリンピックランキングは以下の条件で決定される。

(1)世界ランキング15位までの選手<各国最大4人>
(2)世界ランク16位以下の選手<(1)の有資格者を含め、1カ国2人を上限>
(3)5大陸(アフリカ、アメリカ、アジア、ヨーロッパ、オセアニア)ごとに、最低1人の出場枠を保証
(4)大会ホスト国のブラジルは、最低1人の出場枠を保証

たとえば、現時点で米国の選手は世界ランキング15位以内に7人いるが、(1)の条件により上位4人(バッバ・ワトソンジム・フューリックジョーダン・スピースマット・クーチャー)以外は、オリンピックランキングの対象にならない。

日本は、今年2月に世界ランクを14位まで上げた松山がようやく(1)を満たす選手となったが、2番手として出場資格圏内にいる小田孔明の世界ランクは64位。かつて、29位(09年12月)までポジションを上げていた石川遼も現在は129位で、日本男子で見ても9番手に沈んでいる。

過去にはトップ15に何人もランクインしていた女子も同様だ。最上位の大山が世界ランク48位、2番手の横峯が55位で、かつて世界1位に君臨した宮里藍は122位で日本女子としても17番手となっている。

男女とも、五輪出場枠で意味のある「トップ15」からは大きく水を空けられている。来週女子がスタートする国内ツアーも、今年は日本代表争いよりもむしろ、(1)を目指した日本の出場枠確保という視点から、その行方を大きく左右するシーズンとして、外国勢との対決に注目すべき現状といえるだろう。

もう一つ、ゴルフファンとして注目していいのは、アマ時代には日本ゴルフ協会(JGA)ナショナルチームでも活躍し、昨季の国内女子ツアーを席巻した“アマチュア旋風”の立役者でもあった18歳の森田遥のリオ五輪出場だ。3月の香川・高松中央高の卒業を前に、先週、米シメトラツアー(米女子下部ツアー)開幕戦「ゲートウェイクラシックatロングボウGC」で16位タイに入り、プロゴルファーとしての第一歩を踏み出した。

米LPGAのホームページによれば、登録名は「Haruka Morita - Wanyao Lu」(森田遥/ルー・ワンヤオ)。国籍表示は日本ではなく中国になっている。このことについて、LPGA広報は「国籍は選手の申告により決まる。つまり、彼女が中国を選んだ」と説明した。

森田は高松で生まれ育ち、「うどんが大好き」な“讃岐っ子”を自認しているが、両親が中国国籍のため、出生地主義を取らず、血統主義である日本の国籍法においては、その事実だけで日本国籍を保有することはできない。

森田の世界ランクは184位だが、中国女子では3番手。2番手で出場圏内にいるリン・シユは同79位(オリンピックランキング32位)。相手のある話ではあるが、森田はこれまでの出場試合数自体が少ないので、2015年中の日米レギュラーツアーへのスポット参戦で好成績を残せれば、一気にその差を縮めることもできる位置につけている。

なお、森田には日本国籍を取得する帰化という手段もあるものの、未成年者が単独で帰化することは乗り越えるべきハードルも多く、一般的に難しいとされている。20歳を過ぎればその敷居はぐっと下がるが、森田が20歳になるのは、各国からのリオ五輪エントリーが正式に締め切られる2016年7月18日の翌日、2016年7月19日だ。

関連リンク



あなたにおすすめ



ブラインドホールで、まさかの打ち込み・打ち込まれ!!ゴルファー保険でいつのプレーも安心補償!