比嘉一貴「力を出し切れて」つかんだ銀メダル 悔しさと安どが交錯した最終日
◇アジア大会 最終日(3日)◇春日井CC 東C(愛知)◇女子6270yd(パー70)、男子7035yd(パー70)
通算15アンダー2位タイで終えた3人が、銀メダルを争ったプレーオフの4ホール目。比嘉一貴が放ったピン奥から約6mのパットは緩やかにスライスし、カップ左淵から転がり落ちた。ただ一人のバーディで銀メダルが確定。日没が迫るグリーン上でようやく重圧から解放され、両手を上げて喜びを表した。
最終日に1打差の2位から追う相手は、PGAツアー(米ツアー)の第一線で活躍するトム・キム(韓国)だった。6バーディ、2ボギーの「66」と伸ばしながら一度も追いつけず、「64」をマークしたキムに3打及ばなかった。前半5番では約10mのバーディパットをねじ込みガッツポーズ。7番(パー3)でも7mを入れて拳を握った。それでも米ツアー4勝を誇る強敵の壁は厚く、「メンタルも技術力の高さもあっぱれ」と力量の差を認めた。
目指していた金メダルに届かず「終わったときは悔しさがあった」という無念を胸に押し込め、直後に始まったプレーオフ。ピン右5m強につけた1ホール目のバーディパットはガッツポーズを作りかけたが、惜しくもカップ脇を逸れた。2ホール目、3ホール目と1打目を曲げながらもパーセーブ。4ホール目の1Wショットも左バンカーに入れた。長く苦しかった展開を、この日のスコアメークを支えてきたグリーン上で打開してみせた。
「プレーオフの中では一番いい色のメダルを獲れたので、自分としては“出来ることはやったな”という気持ち。最後は銀メダルが獲れて良かった」。32年ぶりの自国開催となるアジア最大のスポーツイベントで日の丸を背負い、全力を尽くした4日間。日本勢として8年ぶりのメダル獲得という結果に安どした。
手にしたのはメダルだけではない。日本のゴルフファンの期待を背負い、海外ツアーの強豪たちとの争いで得たものも多かった。「いつもより一打一打のプレッシャーが大きい中で臆さずに自分の力を出し切れたと思う。最後はメダルを獲り切れたことに自信を持って、これからのトーナメントに戻りたい」。大舞台で積み上げることのできた新たな経験を、シーズン終盤戦に向けての糧にする。