藤田が逆転で大会連覇!石川は単独3位でシーズン終了
2011年 ゴルフ日本シリーズJTカップ
期間:12/01〜12/04 場所:東京よみうりカントリークラブ(東京)
藤田寛之、史上8人目の生涯獲得賞金10億円突破
東京よみうりCCで行われた国内男子ツアー最終戦「ゴルフ日本シリーズJTカップ」最終日。通算10アンダーのトップタイでホールアウトした藤田寛之が谷口徹とのプレーオフを制して今季初勝利、自身通算11勝目で大会連覇を達成した。
首都東京に差し込む西日の中で、2011年も藤田が輝いた。6番、17番と2つのパー5でいずれも10メートル以上のパットを沈めてイーグルを奪取するなど「64」をマーク。最終組の谷口徹が正規の最終18番で3パットボギーたたいて土壇場で突入したプレーオフ2ホールでいずれもパーを拾い、勝利をもぎ取った。「99%は谷口さんのゲームだと思っていた。だから複雑な気持ち。今回の優勝は本当に勝ったのかなという感じ」。1年ぶりの勝利はなかなか実感が湧いてこなかった。
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昨年大会で悲願の国内メジャー初制覇を達成し、賞金ランク2位でシーズンを終えた。さらなる飛躍を目指した今季、海外メジャー4試合に出場。しかしその大きな壁にぶち当たった。「国内ならば、悪い状態でも予選を通過して上位に入れることもある。けれど向こうでは、良い状態でようやく『戦えるかな』という感じ」。結果はすべて予選落ち。「打ちのめされた」と言う。
忸怩たる思いを抱えながら、主戦場である日本でも苦しんだ。優勝争いを演じても、勝利が届かない。夏場の戦いを終え、自分のスイングに対する悩みはいつしか“迷宮入り”。そして一年で最もタイトル獲得に燃える「日本オープン」では、まさかの予選落ちを喫した。
決勝ラウンドを逃した直後、藤田は千葉県内で青木功が主催したイベント会場にいた。そこが大きな転機となる。師匠の芹澤信雄から指導を受けスイングを「自分の中で180度変えた」。これまでの体を左に切るフェードを強く意識したスイングから、下半身の動きを大きくし「少しフックの動きを入れる」ことを決断。この日もその試行錯誤の途中だった。しかし正規の54ホール目を含め、3度放った最終18番ホールのティショット。ロフト21度のユーティリティの弾道はすべてドロー軌道でピン左についた。
今大会の勝利で尾崎将司、中嶋常幸、倉本昌弘、尾崎直道、伊澤利光、谷口徹、片山晋呉に次ぎ、史上8人目となる生涯獲得賞金10億円を突破。来年は43歳。賞金シード選手では、谷口、手嶋多一についで3番目の年長者となる。だが「海外に懲りずに行きたいと思っている」と意欲は尽きない。
今大会開幕前、藤田は「いつも悩んでいる。でもそう言って10勝してきた」と冗談めかして話していた。そして、11勝目もやっぱり同じように悩みの中でつかんだ。首をひねりながら、歩く。それが藤田寛之の強さだ。(東京都稲城市/桂川洋一)