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1年を通して吹き荒れた、コリアン旋風/2010年国内女子ツアーレビュー

横峯さくらが土壇場で見せた逆転劇により、国内女子ツアー史上最高額となる約1億7,500万円を稼ぎ、女王のタイトルを獲得して幕を閉じた2009年。その熾烈な女王争いは、来シーズンの国内女子ツアーの盛り上げと、選手達の更なる飛躍を予感させた。だが、2010年の幕開けは、今シーズンを象徴するような波乱に満ちたものとなった。

迎えた開幕戦、「ダイキンオーキッドレディスゴルフトーナメント」。国内ツアーデビュー戦となるアン・ソンジュが制し、今後も日本勢の前に大きく立ちはだかることになろうとは、誰が予測できただろうか。その後も7月の「スタンレーレディスゴルフトーナメント」で2勝目、さらにシーズン終盤に差しかかった「SANKYOレディースオープン」、「富士通レディース」の2週連続優勝と、その勢いが衰えることはなかった。今季4勝を除いたトップ10フィニッシュは15回を数え、爆発力と堅実性を兼ね備えたアンの独走態勢となる。アンを筆頭に、全美貞朴仁妃ら韓国人選手が積み重ねた勝利は、最終的に34試合中15回。開幕から吹き荒れたコリアン旋風は、日本勢の脅威となり続けた。

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しかし、国内女子ツアーの意地をかけて、日本人選手も指をくわえて見ている訳にはいかない。最終戦直前まで女王争いを演じ、日本勢最後の砦となった横峯を初め、馬場ゆかり有村智恵らが攻防を繰り広げた。だが、アンの勢いには力及ばず、女王の座を逃す結果に。タイトル奪還に向けた戦いとなる来シーズン、この悔しさをバネに日本勢の更なる活躍に期待したい。甲田良美森田理香子ら若手選手のツアー初優勝という活躍も、日本女子ツアーの新たな展開を予感させるものだった。

また、米国女子ツアーを主戦場とする宮里美香の存在は、これからの日本女子ゴルフ界を担う若手たちに大きな刺激を与えたはずだ。9月のメジャー戦「日本女子オープンゴルフ選手権競技大会」では、2位に6打差をつける圧勝で国内初制覇。その成長した姿は、周囲の同世代たちにさらなる奮起を促してくれたことだろう。この勝利が、米国ツアーでの初勝利へと導く呼び水となるのか。来シーズンも、日米両ツアーでの活躍に期待したい。

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