全米プロインタビュー/地元出身ケンドール「雰囲気が違う」
全米プロ注目選手/「心優しき男」ジョン・デーリー
無名のジョン・デーリーが1991年、9人目の繰り上げ選手として練習ラウンド抜きで参戦した「全米プロ選手権」。世界が初めて飛ばし屋デーリーに出逢い、その飛距離に度肝を抜かれ、さらに優勝を奪った真打登場に歓喜した。しかしデーリーの全てはそれだけでは語れなかった。テレビ中継には映らなかったが、試合直後、デーリーは得た賞金の大半をチャリティに寄与した。以来、デーリーを知る人たちの間では、「あんなに寛大な人間はいない」と絶大な信頼を得ている。
彼のチャリティ活動は今でも続いている。先週、PGAプロのブルース・スミスが練習ラウンドでデーリーと組み、その時スミスは自分の2歳の娘が難病と闘っており、治療には多大の費用がかかることを告げた。その治療費集めのチャリティを開催する予定であることをデーリーに伝えた。
<< 下に続く >>
ブルース・スミス
「18番ティについたとき、デーリーに『もし良かったら、後でゴルフショップで商品を買ってくるから、チャリティ・オークション用にサインをもらえないか?』って聞いたんだ。そうしたらデーリーは『明日僕のトーレーラーが着くから、そこから商品を出して君のロッカーに入れておくからオークションに使ってくれ』と、言ってくれたんだ。それだけでも感激だったんだけど、その後デーリーはズボンのポケットに手を入れて札束を手渡したんだ。てっきり名刺をくれるのかと思ったら、デーリーがこれは基金に寄付してくれって言うんだ。言葉が出なかったよ。今までいろんなデーリーの話を聞いてきた。彼はすごい苦労人だから、その分心がすごく寛大なんだろうな」
ジョン・デーリー
「子供が好きなんだよ。僕の3人の子供達が健康であることを心から感謝している。だから、他の子供達が苦しんでると放っておけない。長女と長男も自分達が健康であることが如何に幸せかを理解していて、病気で苦しんでいる子を見ると彼らも放っておけない性格になったよ」
一方、「全米プロ選手権」に向けての調整は万全。練習場では新しいレッドネック・アイアンを中心に打っていた。
ジョン・デーリー
「ホイッスリング・ストレイツはフェアウェイの落としどころが狭いから、ロングヒッターにとっては確実に狙うにはドライバーはあまり持てないね。2番アイアンが大活躍しそうだよ。2打目に距離を残してしまうけど、でもしょうがない。危険を冒さない程度にアグレッシブなプレーをしなければならないん」
現在、ライダーカップ・ポイントランキングで20位のデーリー。自力でメンバー入りできるトップ10に浮上するには2人までの4位タイ以上という結果を出さなければならない。
-自力でトップ10に入らなければキャプテン推薦はないでしょうか?
ジョン・デーリー
「どうだろうね、(米国チームキャプテン)ハル・サットンがどう考えているか知らないし。誰を選んだとしてもアメリカ勢が勝つよ。ランキングの上位25名はみんな絶好調だし、完璧なチームだと思うよ」
-サットンに選んでくれるよう頼んだりしないのですか?
ジョン・デーリー
「ハル、俺を選んでくれ!ウソ、冗談だよ!僕はそういうことはしない。多分みんなもしないよ。今必死にアメリカ選抜にとって何がベストか考えているハルの邪魔をするような行為は誰もしないと思う。できれば自力で選抜入りしたいね。初日、2日目と最高の組みで周れる。タイガーもビジェイも最高の選手だし、調子もいいから良い勢いにみんなで乗って好結果を出したいね」