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増田伸洋 崖っぷちでジャンボの教えから5位浮上

静岡県の太平洋クラブ御殿場コースで開催中の国内男子ツアー「三井住友VISA太平洋マスターズ」2日目。例年通り、上位がバーディ合戦を演じる中に、増田伸洋が加わってきた。3アンダーの10位タイから出ると、5バーディ、1ボギーの「68」をマーク。首位のハン・リーとは3打差の通算7アンダーの5位タイに浮上した。

この日、沈めた5つのバーディパットはすべて“1ピン以内”のもの。インから出て15番で1.5メートル、続く16番も1メートル。それほどショットがキレまくった。「外したパットもあったけれど、今までに比べれば納得です」。前後半ともに「34」で回り、好位置でトーナメントを折り返した。

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「突然変異」と笑う。しかしながら、その要因は確かなものがあった。今季も残り4試合、いや、年間優勝者と国内賞金ランキング25位以内の“エリート選手”が出場する最終戦「ゴルフ日本シリーズJTカップ」を除けばあと3試合しかない。しかし増田が今季ここまでに稼いだ賞金額は約270万円。ランキング114位に沈んでいる。そこで前週はオープンウィークを利用して、かねてから教えを受ける尾崎将司のもとへ駆け込んだ。

ジャンボは開口一番「来るのが遅い」とピシャリ。詳細は「企業秘密」と言うが、懸命にスイング修正に取り組んだ。「お前みたいのが、そうやるからダメなんだ」。厳しい言葉を浴びた2日間。それまではスイングと出球に大きなギャップを抱えたままシーズンを過ごしてきたが「自分が納得できるように教えてもらった。それから調子が良い」と、胸につかえるものを取り払い、会場入りしてきたところだった。

「あとはこれでダメならしょうがない。自分の与えられた課題をやるだけ。ジタバタする位置ではないから。上の選手がどうこうではなく、自分がやれることをやります。ああだ、こうだ、言ってられない」

「シード権」の言葉を口にするのに、選手も、周囲も、少しばかり勇気がいる季節。現実と正面から向き合い、すべてを受け入れたようなプレーヤーの素の顔も、冬空の下のトーナメント会場には多くある。(静岡県御殿場市/桂川洋一)

桂川洋一(かつらがわよういち) プロフィール

1980年生まれ。生まれは岐阜。育ちは兵庫、東京、千葉。2011年にスポーツ新聞社を経てGDO入社。ふくらはぎが太いのは自慢でもなんでもないコンプレックス。出張の毎日ながら旅行用の歯磨き粉を最後まで使った試しがない。ツイッター: @yktrgw

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2012年 三井住友VISA太平洋マスターズ



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