美香、単独4位に「自信と悔しさがある」
2012年 全英リコー女子オープン
期間:09/13〜09/16 場所:ロイヤルリバプールGC(イギリス)
宮里美香に学ぶゴルフメンタル
申智愛の鮮やかな優勝で幕を閉じた2012年の「全英リコー女子オープン」。これで今年の4大メジャー大会が終了したが、振り返ってみると「クラフトナビスコ選手権」はユ・スンヨン(韓国)、「ウェグマンズLPGA選手権」はフォン・シャンシャン(中国)、「全米女子オープン」はチェ・ナヨン(韓国)、そして今回の申智愛(韓国)とアジア勢がメジャータイトルを総なめした。これは、昨年の「クラフトナビスコ選手権」をステーシー・ルイスが制したのを最後にしてから、実に7大会連続での出来事だ。
このアジアの波に乗って、日本勢も1977年に全米女子プロを制した樋口久子以来のメジャー優勝を達成したいところ。その有力候補の一人は、今大会で単独4位に入った宮里美香だろう。
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フロリダにあるIMGアカデミーを拠点とする宮里は、プロ入り当初からメンタルコーチと共にさまざまな課題に取り組んできた。最初は「英語もあまり分からないし、どうなんだろうと思った」という宮里だが、今ではそれぞれの試合に向けた気持ちの持ち方、中長期のビジョンなどを話し合い、結果につなげている。最近、宮里がグローブに“100”と書いているのをご存じだろうか?「目の前のショットに100%コミットして打つ」ことを意識し、迷いや中途半端な気持ちを持ったまま次のショットに入らないようにという心がけだ。
今年8月に参戦4年目にして米ツアー初優勝を果たした宮里だが、今、彼女のスマートフォンには、メンタルコーチと話し合ったという5つのメンタルレベルが書き記されている。
1.Compete(出場する)
2.Contend(争う)
3.Win(勝つ)
4.Repeat(繰り返す)
5.Dominate(支配する)
「私は今、このレベル」と、宮里は3番目のWinのところを指さしていう。「次はこれを繰り返すこと。そうして、最終的にはタイガー・ウッズのように支配するレベルになる」。実際、宮里は優勝争いを繰り返し、初優勝後もハイレベルな戦いを続けている。得てして、1つの勝利で満足しがちだが、こうやってその先の目標が明確ならば、さらなる成長を続けられる。日本ではまだあまりなじみの無いメンタルコーチという存在だが、宮里のクリアで明確な精神状態を見ていると、彼女の活躍の大きな原動力となっていることは間違いないだろう。(英国ホイレイク/今岡涼太)
今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール
1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka