小山内護、石川遼との飛ばし屋対決を歓迎
神奈川県の戸塚カントリー倶楽部 西コースで開催中の国内男子ツアー第18戦「キヤノンオープン」は、今季初勝利を狙う石川遼が通算12アンダーで単独首位に立って決勝ラウンドへ進出。その石川を1打差で追うのはツアー通算4勝の41歳、小山内護だ。
初日「67」で3位タイ発進を決めた小山内はインスタートのこの日、11番でボギーを先行させるが、続く12番で3メートルを沈め、13番(パー5)では3番アイアンで2オンに成功して2連続バーディ。さらに15番からは3連続。後半アウトでも2つバーディを奪って、この日のベストスコア「66」をマークした。
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過去にドライビングティスタンスで年間1位に輝くこと4度。2004年の306.82ヤードはいまも破られない史上最高記録。ツアー屈指の飛ばし屋としてその名を馳せている。だが昨年の「セガサミーカップ」で優勝して以降、左ひじの痛みが深刻化。後半戦はまったく思うようにプレーできなかった。
今季はスイング改造に明け暮れた。ひじに負担をかけない動きを習得するため「いろんな試行錯誤をした前半戦だった」。そして手応えをつかんだのは先週のこと。「人から見ても同じと思われるかもしれないけど。去年とは全然違うんだよ」と嬉しそうだ。
さらに海外の女子ゴルフをテレビで目にした映像でパッティングも“開眼”したという。「昔はドライバーばかりだったけれど、今はショートゲームをよく練習するようになった」。不惑を迎えてから考え方が変わってきた。「これからショットが急激に変わることはないだろう。でもショートゲームなら…」と自身の変身ぶりを強調する。
だが優勝争いの相手は屈指のドライバーの使い手である石川遼だ。すると小山内は「どうせなら遼と一緒に回りたい。若いエキスをね…。自分の子供でもおかしくない年なんだから」と目を輝かせる。小技重視へ、路線変更の最中だが、飛ばし屋としてのプライドがうずく。
「自分のやるべきことをやる」と不動心を貫きたい石川を、揺さぶることはできるか。「ガツン!と行きたい。向こうに力を入れさせられるくらいにね」。闘志をむき出しにした言葉は、ベテランを若く見せた。(神奈川県横浜市/桂川洋一)
桂川洋一(かつらがわよういち) プロフィール
1980年生まれ。生まれは岐阜。育ちは兵庫、東京、千葉。2011年にスポーツ新聞社を経てGDO入社。ふくらはぎが太いのは自慢でもなんでもないコンプレックス。出張の毎日ながら旅行用の歯磨き粉を最後まで使った試しがない。ツイッター: @yktrgw