【藤田寛之専属キャディ・梅原敦の全英OPレポート〈5〉】
2011年 全英オープン
期間:07/14〜07/17 場所:ロイヤルセントジョージズGC(イングランド)
不条理な風…スタート時刻で明暗?
イングランドのロイヤルセントジョージで開催中の海外メジャー第3戦「全英オープン」は16日(土)から決勝ラウンドに突入する。14日(木)からの予選ラウンド2日間を通じ、気まぐれな英国の気象条件により選手たちの明暗が分かれる結果となった。
初日のスコアを見ると、全体156人中アンダーパーをマークした選手は35人。その中で午前組(前半の26組)が12人だったのに対し、午後組(後半の26組)は23人がマークした。風は午後になると強まり、スコアが伸びにくいというのがいわゆる“通例”。しかしこの日はその逆で午前中に強い風が吹き、時間が経つごとに弱まっていった。5アンダーのトップスタートを切ったアマチュアのトム・ルイス(イングランド)も午後にスタートした選手の一人。「今日は風が弱かった」と話している。
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そして迎えたこの2日目。午前中のコースで18番グリーンサイドにあるギャラリースタンドを見て、なんとも言えない気分になった。フラッグが全くはためいていない。凪の状態だった。そして正午が近づくにつれ、“普段通りに”風は強まっていった。
つまり「初日・午前」→「2日目・午後」の選手の方が「初日・午後」→「2日目・午前」の選手たちよりも2日間を通じて強い風を受け続けたことになる。確かに自然現象と人間のぶつかり合いだから、一概には言えない。しかし予選通過した71人のうち46人、約65%の選手は強い風を“受けなかった”「初日・午後」→「2日目・午前の選手たち」。またそのうち、通算イーブンパーとアンダーパーの選手31人で見ると23人、約75%が同様の選手たちだった。
フェアウェイが激しくうねり、打球が想定外のキックによってポットバンカーに入ってしまったりと、ナイスショットが決して好結果を生むとはいえない同コース。「このコースには運と不運がつきもの」と多くの選手が口をそろえる。ゴルフはなんとも不条理な一面が色濃い。そして時として、それすらも制するものが勝者になる。本場リンクスはそんなことを感じさせてくれた。【イングランド・サンドウィッチ/桂川洋一】
桂川洋一(かつらがわよういち) プロフィール
1980年生まれ。生まれは岐阜。育ちは兵庫、東京、千葉。2011年にスポーツ新聞社を経てGDO入社。ふくらはぎが太いのは自慢でもなんでもないコンプレックス。出張の毎日ながら旅行用の歯磨き粉を最後まで使った試しがない。ツイッター: @yktrgw